半夜兎の舞姫 2【沖田総悟】

万年金欠腐れ天パ野郎なのに ページ20

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その後、奴らのパトカーを奪って
お兄ちゃん達が乗っているらしい電車へと急ぐ。

早くしないと…お兄ちゃんと総悟が危ない。




" プルル…プルル… "




震える携帯のディスプレイには
" 総悟 " と表示されている。






「 総悟っ！？」


《 そっちは大丈夫かィ 》


「 さっき襲われた。
今はパトカーで総悟達が乗ってる電車に向かってる 」


《 この電車は武州行きだが、
恐らく途中で事が始まるはずだ。

俺が近藤さんを1人にして列車を離す。
その後、A達が近藤さんを保護してくれ 》






総悟の作戦はすごく無茶だ。

そんなことしたら、
奴らの相手は総悟一人になってしまう。






「 ダメだよ！そんなことしたら総悟がっ… 」


《 俺を誰だと思ってんでィ。一番隊隊長様だぞ 》


「 …でも 」


《 終わったらご褒美な 》


「 えっ、ちょっ… " ブチッ "






またもや一方的に電話を切った総悟。

ご褒美って…何だそれ。






『 沖田君か？』


「 うん…総悟、電車内の隊士を1人で… 」






総悟が強いのは知ってるけど、
小さい頃からそばで見てきてわかってるつもりでいるけど

不安でたまらなかった。


もし…もしもの事があったらと思うと
怖くて涙が出てきそうになる。






『 大丈夫だよ 』






俯いていると、頭にポンっと
暖かくて大きな手が乗った。






『 あの沖田君だぞ？簡単に死ぬわけねぇよ 』


「 旦那… 」


『 ご褒美、とっておきのものにしてやらねぇとな？』


「 …聞こえてたの 」






ニカッと笑う旦那につられて、
私も自然と笑顔になれた。


旦那は本当に不思議な人だ。


万年金欠腐れ天パ野郎なのに
彼の周りにはいつも人が集まる。




でもその理由も、わかる気がする。






「 ありがとう ＿＿＿＿＿＿ 銀さん 」


『 っ…なっ、お前っ……不意打ちはやめろよ… 』






総悟がいなかったら、
銀さんに惚れてたような気もする。






『 銀さんのご褒美はやっぱりセッ…ぐっ… 』


「 前見て運転しろよ、な？？」






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