【文スト】歳下なんてダメですか【太宰治】

戦う。 ページ9

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「戦いたくないんだけど……」

「心配するな、僕はポートマフィア。マフィアが一般人を傷つける、なにか不自然なところがあるか」

「あんま乗り気じゃないんだけどなぁ」


厭々、私は芥川の相手をすることにした。
何かあれば太宰さんが芥川を止めてくれることを信じるしかない。


「異能力、喝采」

「異能力、羅生門」


驚く程に静かな空間が生まれる。
それは私が音を操るから。

一定の音を当て続ければガラスだってプラスチックだって割れて、たちまち凶器になる。
心臓だって破壊できるかも、なんて。

黒のマスクをつけて、髪をピンで留めた。
きっと傍から見たら私もマフィアの一員だろうな。


「羅生門、顎」


私がそんな攻撃を受け止められるわけがなくて、普通に吹っ飛ばされた。
かなり、痛い。

私は微小の音を一瞬でかき集めて、芥川に向かって撃った。
そりゃ威力はないけれど、行動が単純になる。

微小の音は人間に聞こえるか聞こえないかくらいの音、聞こえれば耳鳴りでイライラして動きが単純に。

聞こえなければ超音波として脳に。
そして脳が錯覚を起こし、行動が少しおかしくなる。

こう言った感じで、私は明らかに戦闘向きの異能力者ではない。
いつの間にか私は芥川の黒獣に捕まって、上に挙げられていた。

手も足も出ない。
出す気もないけど。

それを見かねたのか、太宰さんが気だるげに出てきて芥川に触れた。
その時私の身体がフワッと宙に浮いていった。

太宰さんが目を見開いてたのを最後に、意識が飛んだ。

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