【文スト】歳下なんてダメですか【太宰治】

芥川。 ページ4

＊



「げっ」

「どうしたの、敦くん」


私と敦くんはデート(という名の乱歩さんのパシリ)をしていた。
前方を見て嫌そうな声を出す敦くん。

私は敦くんの見る方を向いた。
そこには黒の外套に、もみあげの先の方が白くなっているヒョロヒョロの男。

芥川だった。
私は別にどうでもいいけど、敦くんはどうでも良くないらしい。


「人虎、貴様ぁ……！」


気にしているのかしてないのかわからないけど、指名手配犯の自分のポスターを見ている芥川。

それもフォーティワンのアイスを食べながら。


「一寸待て、直ぐに食べ終わる」

「芥川……！」


敦くんは芥川を見て、鋭い目つきと鋭い声と口調でこう言った。
なんのためかはわからない。

むしろ自分が不利になるだけなのに。









「腹壊すからゆっくり食べろ！！」


お母さんか。
敦くんは芥川のお母さんか。


「ふんっ……」


芥川も芥川で、急いで食べていたペースを下げてゆっくり食べ始めた。
いや、少しは急いでよ。

敵だよね、敵だよね！？
私は1人混乱しながら、敦くんと芥川を交互に見た。


「芥川、一口頂戴」

「Aさん？ 此奴一応敵ですよ？」

「良いじゃん」


フォーティワンのアイスが美味しそうなんだもの。
それを美味しそうに食べる芥川が悪いんだから。

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