盗っ人少女と盗賊団

Episode44 ／ 神に愛された子 ページ44

｢…えげつねぇな｣

｢呆気ない…♥｣



誰が予期しただろう。

A自身でセラを殺すなんて。


｢これほどの力をこの歳で持っていること自体恐ろしいなあ。｣

シャルナークがわざとらしく恐がる。



｢俺らの傍にいるだけまだマシさ。｣

クロロはその場で気を失っているAの頭を撫でた。


｢起きて欲しいけど起きて欲しくないわね。｣

パクノダが悲しそうに言う。

誰もが思っていることだ。

Aの心を癒すことが出来るか、それだけが悩みだった。


彼らは盗賊。盗みも殺しもなんとも思わない。
そんな彼らが捕まえてしまったのは、愛に飢える孤独な少女。

どうすればいいのか、誰にも分からない。




｢しばらく仕事はないが、お前らはどうする｣

クロロが静かなホールに声を落とした。


｢あたしはAといるよ。｣

｢ん〜ボクはイルミと殺って来るよ♥｣

マチとヒソカが即答する。

｢殺るって？｣

｢Aをいじめる悪い奴♣｣



ヒソカ以外の旅団員はアジトに残る、と意志を示した。


彼女が目覚めるまでもう少し。

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