泣き虫少女と盗賊団 (ページ45)

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Episode192 ／決死の戦いページ45

ハエたたきと脚技を駆使しながらヒソカをリングの端へと追い詰めて行く。

能力を使う素振りは見せない。

まだまだ余裕なのだろう。

『あーもう、やめた。』

左手に持っていたハエたたきを捨てれば、ずっと光になって消えた。

｢へぇ…次はなんだい？｣

『なんだろうね？』

『神の玩具箱(デウ・トイボックス)』

さっきと同じように私の少し上が光った。

手を伸ばしてそれを取れば…

『当たり引いちゃったー』

｢A選手！今度は大きな鎌をどこからか取り出したぁあ！｣

私の身長ほどもある大きな鎌。

私はそれをヒソカに向けて振りかざした。

鎌の刃先が腕を掠った。

｢毒入りとは♠｣

『あ、そうなの？ごめんごめん』

さすが、本物じゃないから軽い。

毒を吸って吐いて、止血をしている最中のヒソカに、後ろに大きく振りかぶってからブーメランのように鎌を投げた。

｢投げられた鎌っ！しかしなんということでしょう！ヒソカ選手、片手で軽々と受け止めたぁ！｣

実況のお姉さん有能すぎて私が説明するところがない。

ヒソカはその鎌を同じように、しかし伸縮自在の愛(バンジーガム)を鎌にくっつけて私に投げ返した。

なるほど…私が避けたあとに引き戻すつもりか。

だけど

『ばーか』

ヒソカが鎌を私に投げたが、それは私に当たることなく消える。

｢…♠｣

武器なんて使い捨てだ。

さっきと言ってることが違う？

ヒソカが相手だから例外ってことで！

『護りの髪壁(デウ・バリア)』

自分自身をオーラの壁で包み込む。

『共鳴する神々(デウ・シンパシー)ｰｰ移動(ワープ)』

そしてその壁の中…つまり私はヒソカの真後ろに移動した。

｢なにが起こっているのでしょうか！A選手がヒソカ選手の後ろへ！そして得意の回し蹴りでヒソカ選手をぶっ飛ばしたあっ！｣

うん、実況のお姉さんの言う通りです。

｢クリーンヒットアンドダウン！ポイント、A！｣

これで3ポイント。

ここで私は一瞬油断して、オーラの壁を消してしまった。

ヒソカは起き上がると同時に私にトランプを投げて一瞬で距離を詰めた。

『…ぐっ』

見事に一発顔面にくらった。

堅で守っていたとはいえ、硬で殴られれば痛い。

｢目に見えぬスピードでヒソカ選手、A選手をぶっ飛ばしたあ！！｣

｢クリーンヒット！ポイント、ヒソカ！｣

っやばい

｢キミを殴ればボクの勝ち♥｣

これわたし負けるかもしれない。