Episode182 ／ 奇術師と蜜月 ページ35
宿を出て天空闘技場へと戻る。
ロビーを歩いていると、感じたことのあるねっとりとした視線を感じた。
3人で話していたが、ゴンとキルは気づいていないようだ。
｢じゃあな、また明日｣
｢おやすみ！キルア、A！｣
『おやすみー』
二人が部屋に入ったのを確認して、私はエレベーターでロビーに向かった。
ロビーに降りてすぐ、椅子に座る。
椅子に座ってぼーっとしてると、隣にヒソカが座った。
｢来てくれたんだ♥｣
そっちは一切見ずに呟く。
『旅団をつぶす可能性がある危険因子だから。』
へぇ…♥と隣から気持ちの悪い吐息が漏れる。
｢クラピカから聞いたんだ♦｣
『…もしお前が旅団に手を出すんだったら、私はお前を殺す。』
｢おぉこわいこわい♥目、銀色になってるよ♠｣
隣から溢れる気持ちの悪いオーラ。
もしかしなくてもこいつ…ヒソカの悪い癖が出ている。
思わず全身に鳥肌がたった。
『誰のせいだと思ってんの？』
｢ボク？｣
ほんと殺意が湧いた。
｢キミにボクが殺せるのかい？｣
挑発するような口ぶり。
『蜜月に不可能はないよ』
ヒソカの口癖を真似てそう告げ、立ち上がる。
そのままエレベーターへと向かった。
｢200階においでよ♣ボクと殺り合おう♥｣
背後でそんな声が聞こえたが無視だ無視。
基本私は平和主義なんだ。
｢ゴン選手キルア選手A選手！！共に190階一発クリアァ！！｣
数日と経たずに私たちは200階に到達した。
｢どんなとこかな？200階は｣
｢さぁな、こっからは行ったことないからなぁ｣
『楽しそうだよね！』
暗い雰囲気が漂うエレベーター内を明るくしようと、1人テンション高くしているとキルから呆れた目をされた。
悲しいんだけど。
200階に到着して、エレベーターを降りる。
『あ！選手？控え室だって』
細い通路の先に看板の矢印が向いていて、私はゴンたちより先にそっちに行く。
すると通路の途中で殺気を当てられた。
このねちょっとしたオーラは…ヒソカしかいない。
絶を解いて纏をする。
そしてそのまま曲がり角まで行く。
｢やぁ♥｣
ゴンたちからは見えない位置でオーラを送り続けるヒソカを睨んでから、ゴンたちの元へ戻った。
あいつ、ゴンたちをここから先に通さない気だ。
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年8月17日 22時
