Episode179 ／ 念能力とは ページ32
私もゴンもリングに呼ばれ、すぐに帰ってきたがキルとズシくんはまだ試合中のようだった。
｢遅いね、キルア｣
『うん…ズシくんも強いのかもね』
2人でそう話していると、キルが帰ってきた。
『遅かったねー』
キルが言うには、ズシくんはどうやら練を使ったらしい。
｢おいA。…A？｣
『んあー、どした？』
｢…いや何も無い｣
キルの方へ顔を向ければ顔をそむけられた。
なんやねん
その後、私たち3人はぽんぽんと階を上げて行った。
｢ダウーン！！だめだ！起き上がれませーん！！またしてもキルア選手一発KO勝ちぃ！！｣
実況のお姉さんの声が聞こえて、隣の会場でキルが勝ったことが分かった。
｢おっと、隣の会場ではゴン選手とA選手も一発KO勝ち！！手刀のキルアと押し出しのゴン、飛び蹴りのA！！果たしてこの3人の快進撃はどこまで続くのでしょうか！？｣
元気なお姉さんだなー、と実況席の方を見ると、手を振ってくれたので手を振り返しておいた。
『個室だー！！』
｢油断するなよ｣
キルが100階以上は高待遇のため厄介な輩が多い、と心配したが私たち3人は負けることなく150階までやって来た。
｢キルアがすごく嫌な感じがしたっていうレンって一体なんなんだろうね。｣
｢んー、多分もっと上のクラスにいけば同じようなやつがいるかもしれないから…｣
｢それよかズシに聞いた方が早いんじゃない？｣
キルが提案したことを笑顔で切り捨てるゴン。
キルが笑顔で固まった。
場所は変わって廊下。
キルとゴンは熱心にズシくんの話を聞いていた。
私は壁にもたれかかって右から左へと聞き流していた。
｢レンはヨンタイギョウのひとつでーーー｣
私だって念使えるもんね。
私の存在をわすれかけてる二人に少し怒る。
しばらくズシくんが話していると、ウイングさんがやってきた。
少し怒っているみたい。
話聞いてなかったから分かんないけど、どうやらウイングの宿へ行くらしい。
｢ネンとは心を燃やす｢燃｣のこと。すなわち意志の強さ！｣
ホワイトボードに、燃と書いたウイングさんはゴンとキルに念を教えたくないらしい。
つまんない。
その一言に尽きる。
聞くより見せた方が早い、ということでウイングさんはキルにオーラを放った。
でも…さすがズシくんの師匠なだけあって良いオーラだなー。
すごい上から目線だなって？
だって私の周りはもっとすごい念能力者ばっかりですよ？
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年8月17日 22時
