Episode152 ／ 暗器の乱用 ページ3
でも、ごめんねゴン
私はゾルディック家での仕事は苦痛ではなかった…と思う。多分。
本格的な暗殺は数回だけだったけれど、恩返しのような気持ちだった。
5年という期間、アイツらから引き離してくれたことは本当に感謝している。
ゴンの心配はすごく有難いけど。
でも、私とキルは違うからなー。
キルはいつも嫌がっていたように思えた。ゴンもそれを分かってて言ってるんだ。
改めてゴンは優しい子だなーと呑気に思っていると、イルミがゴンに手を伸ばした。
もし、ゴンに手を出すつもりなら止めるけど。
そんな心配虚しく、勘のはたらくゴンは手が触れる前に退いた。
マーメンがハンター
『私が落とした暗器とか知りません？』
｢それならそこの棚の上に置いてあるぞい｣
『あ、ほんとだ。ありがとうございます』
ネテロさんが指さしたのはマーメンさんが立っている奥の棚。
『失礼します…』
マーメンさんの前を身を屈めて通る。
受験生の皆さんから痛い視線を感じます…。
丁寧に置かれた暗器たちの前で思案する。
パーカーはさっきの銃弾で破れてしまっているし、もう着替えもない。
どちみち試験が終わったら服一式盗るつもりだからなー。
よし、今暗器を戻すのはやめよう。
リュックの中に暗器を入れようとすると、既にリュックはいっぱいだった。
『…あー、これ要らんよな、これも要らん。あーこれも…』
ぶつぶつ言いながら、リュックの中からいろんなものを出す。
ボロボロになった服から始まり、服の下に隠していた暗器の数倍もの暗器がリュックからで出てきた。
リュックの整理が終わり、シーンとしている室内に気づいて目を向けると、ドン引きされていた。
デジャブ…？
『…スミマセン』
音うるさかったかな、と思ってなんとなく謝っておいた
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年8月17日 22時
