Episode164 ／ 最悪な組み合わせ ページ17
静かなアジトにひとつの足音が響く。
｢もうノブナガ嫌い！｣
｢どうしたA…って人格変わってる｣
マチの声に、見ていた古文書から顔を上げる。
視界に映ったAの目は燦々とした太陽のようなオレンジに染まっていた。
｢なにがあった｣
Aの少し後ろから、頭を掻きながらホールへと入ってきたノブナガへと声をかける。
性格が変わる条件が気になるしな…。
オレンジは初めて見る色だ。
｢あ？…あいつが一切能力使いたくねぇとか言うからよ、それでちょっと言い合ってたらキレられてこのザマよ。｣
｢ムキになると…って感じか｣
オレンジだと念の系統は何になるんだろうか。
変わる目の色と、念の系統に特に繋がりはなさそうだが…。もうなぜ目の色が変わるかなんて追求するのは止めたが。
不思議が多すぎるんだ、蜜月は。
そう思考に耽っていると、フェイタンの不機嫌な声が聞こえた。
｢なにするか、おまえ｣
『いーじゃん、乗せてよー』
｢ふざけてるね、はやく降りるよ｣
そちらを見れば、本を読むフェイタンの上に覆いかぶさってるAがいた。
なにやってんだあいつ
今にもキレそうなフェイタンを見兼ねて、フィンクスがAを引き離して投げた。文字通り、投げた。
『なにすんのフィンクス！』
｢お前こそ何してんだ｣
｢フェーイタンといちゃいちゃしよーとしただけですけどー｣
いつもよりも酷いまったりとした話し方。
Aの発言にフェイタンと女性陣の空気が凍りついた。
まだ目はオレンジ。
ああいう性格に変わっているのか、それとも…
｢A、来い｣
自分の横に呼ぶと、てこてこと覚束無い足取りでやってくる。
『どーしたの団長』
目の前でにひひと笑うAの手を引いて抱き寄せた。
やっぱりというか。
｢おいノブナガ、ウボォー。お前ら昨日飲んでた酒どこ置いた｣
｢あー？確かぁ…どこだっけな｣
｢あんた昨日キッチンの方に置きに行ってたじゃないか｣
思い出せないウボォーにマチが指摘する。
｢あぁそうだった。キッチンだ。それがどうかしたのかァ？団長｣
｢Aが酔ってる。Aの手の届くところに置くなって言っただろう。｣
暴れる酒臭いAをパクノダに託して寝かせるように言う。
『嫌だあ寝ない！まだ！』
｢はいはい。シズク、マチちょっと手伝って｣
まるで子供のようなAに俺を含めた男性陣がため息をついた。
多重人格＋酔っ払い…最高にめんどくさい
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年8月17日 22時
