泣き虫少女と盗賊団 (ページ5)

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Episode154 ／復讐のためにページ5

『ゴン、ジンの場所知りたい？』

｢いいよ。自分で探す｣

その言葉を聞いて私は笑った。安堵だ。

聞かれても私はゴンに協力できないしね。

『うん、頑張れ。…じゃー、私はそろそろ行くよ』

｢え！？Aもキルアのとこ行かないの？｣
｢てっきりお前も行くんだと思ってたぜ｣

ゴンとレオリオに目をまん丸にされた。行きたいっちゃー行きたいんだけどなー。

『ごめんね、やることあるんだ。早く終わったら行くよ。それに…ゾルディック家は少し気まずいからなー』

キキョウさんあたりに捕まって出れなくなりそうだ。

｢そっかー…残念だけど仕方ないよね｣
｢気をつけろよ？｣
｢また会おう｣

ゴンは一瞬表情を曇らせたものの、三人とも笑顔で声をかけてくれた。

『うん！キルによろしく伝えてよー！』

その後、携帯を持っていたクラピカとレオリオと連絡先を交換して私達は別々の方向へと別れた。

空港に行き、向かう先はシルバーナ家。

『おぉすごい。本当にタダで乗れるんだなー。』

貰ったばかりの自分のハンター証(ライセンス)をみてほくそ笑む。

飛行船から見える景色はだんだんと見覚えのあるもの変わって行った。

ここら辺、アジト近いから気をつけなきゃだな。

まぁ近いと言っても数十キロはあるけれど。

空港の近くにあった街へ立ち寄り、服を一式盗る。

ゆったりとした服じゃないと暗器隠せないしなー…

そして選ぶのはだいたい同じパーカー。

無意識に血がついても目立たない黒を好んで選んでしまう。まぁ、夜闇でも目立たないっていう理由もあるけど。

下も変わらず、膝上丈の真っ黒のスカート。

ズボンよりも動きやいのだ。

そこで私は重大なことに気づく。

『イルミに目隠し盗られたままだ…。』

頭を抱えながら思考をめぐらせるが取り返す術は見つかりそうにもない。

大切なやつなのに…！
っていうか、視界が明るいのに慣れちゃったんだよもう！！
だから目隠しという存在を忘れていた。

言い訳にしかならないが。

はぁ…

心の中で盛大にため息をつきながら、復讐が終わったらイルミを探そうと心に決める。

しばらく歩いているとセラと行った街が見えてきた。

セラとの思い出に触れる度に胸が痛む。

それに気付かないふりをして、私は街を通過した。

日が暮れてきた。急ごう。

少し念を使って私は目的地へ急いだ。