Episode184 ／ 捻くれ者 ページ37
私の叫び声に反応したゴンとキルアが振り返った。
そのとき、
｢その必要はありません。私が教えましょう。｣
後ろを向けばウイングさんが立っていた。
心なしか、私睨まれてる気がするんだけど…。
｢彼の念に対し、君たちはあまりにも無防備だ。今…Aさんがいなければ君たちは気を失っていてもおかしくないですよ？｣
ウイングさんがそう言うとキルは噛み付いた。
｢あれが燃だと！？あいつが通さないって思うだけでこうなるってのか！？嘘つけ！！｣
怒るキルに冷静なウイングさん。
静かに宿へと誘った。
｢これが念です。念とは、体からあふれ出すオーラと呼ばれる生命エネルギーを自在に操る能力のこと。｣
ウイングさんはそう言ってホワイトボードに文字を記す。
まぁ私は長い話嫌いだからこれより先は聞いてませんでしたが。
勝手ながらウイングさんの宿を探索していると、
｢Aは念、使えるんだろ？｣
キルに話しかけられた。少し無愛想なのは…多分私が黙ってたから。
『…まー、基礎基本は？』
｢ふっ…なんで疑問形｣
少し笑ってくれたから大丈夫だろう。
｢Aはどうやって目覚めさせたの？｣
『んーーどうだったけな？気づいたら使えてたよ』
そもそも父親から能力が遺伝されたのが0歳の時。
まー、うまく扱えるようになったのはゾルディック家で修行してからだけど。
｢Aさんは自然に目覚めたタイプでしょう。数億人に1人の割合で稀にいるんです。｣
ウイングさんがそう言えば、ズシくんから尊敬の眼差しで見られた。
え、私そんなにすごい人なんだ。
そして、時間が無いキルとゴンは無理やり目覚めさせるらしい。
私は暇なので、一人隅っこに瞑想のポーズをとる。
日に日にオーラが増しているわけだから、たまにはどれくらいの強さなのか確認しなければならない。
じゃなきゃ力加減が調節できないからさ。
まずは練をして、少しずつオーラを練ってゆく。
そしてそれをそのまま纏った。
半年前の倍…ってとこかなー
そして纏をやめて再び練をする。
練の状態を維持することは何よりも大切だ。
発に繋がるからね。
しばらくそうしていると、
｢おーけー。これなら彼の念の壁も破れるでしょう。…特にAさん、君の纏は素晴らしい…。｣
『…ありがとうございます』
私にはその言葉の裏に、｢底知れなすぎてキケン｣って隠されてるように感じるけどね。
ひねくれてるって？
よく言われる
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年8月17日 22時
