泣き虫少女と盗賊団 (ページ24)

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Episode171 ／家族はやめたページ24

『あり？そう言えばどこで特訓してるんだ？』

イルミは特訓、としか言わなかったし。

試しの門に登って上から周りを見渡しても、ゴンたちは見えなかった。

｢Aお嬢ー！どうなさったのですかー？｣

ふと、下の方から名前を呼ばれて見れば、ぜブロさんが手を振っていた。

とんっ、と試しの門から飛んで降りてゼブロさんのところへ行く。

『あ、ゼブロさん！ゴンたちってどこにいるか知りませんか？』

知ってたらいいなー、なんて軽い気持ちで聞いたが、なんと知ってるという。

ゼブロさんたちと一緒に暮らして特訓してるのかー。

｢行きますかい？｣

『ぜひ！お願いします！』ジリリリリン

私がそういうと同時に、管理室の電話が鳴った。

｢ちょっとお待ちくださいね｣

電話に出たゼブロさんを見てても仕方ないので、試しの門を開けることに挑戦する。

念を使えば開くんだけどなー…

両手を当てて思いっきり押してみても、人一人通れる位の隙間しか開かなかった。

私も鍛えようかな…

ぱっぱっ、と手を払っているとゼブロさんが慌ててこっちに駆けてきた。

｢Aお嬢…。執事室からたった今連絡がありまして…。屋敷でダンナ様が待っていらっしゃるそうですよ｣

え。イルミ、もしかして裏切った？

いやいやまさかそんな…ね？

『…これってお断りしても…｢だめですよ、お嬢。すぐに屋敷へとお進み下さい。｣…はぁ…分かりました。ゴンたちに私が来てること伝えといてくださーい』

行きたくない、と駄々をこねれば困るのはゼブロさんだし、怒られるのもゼブロさん。

諦めて、侵入者用の扉から庭内へと入った。

ダンナ様…ってことはキキョウさんじゃないよねー。

シルバさんかゼノさんだと思うけど。

歩いてても時間がかかるから、硬で足を強化して走った。

会いたくないというか、今更どんな顔して会えばいいのか分かんないんだよなー。

なんて考えていればすぐに屋敷へとついた。

屋敷の前にはずらっと並ぶ執事の皆様。

｢お帰りなさいませ、A様｣

『…私もうこの家の人間じゃないよ、ゴトーさん』

頭を下げて上げない執事の皆さんに笑いかける。

自分で言っといて、少し胸がいたんだ。