目隠し少女と盗賊団 (ページ49)

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Episode148 ／見られたくないものページ49

ハンゾーは自分を囲む私に戸惑いながらも、まだ余裕を醸していた。

｢生身の身体で俺に近づいてみろ！いくら増やしたって全身血だらけだぜ？｣

『ばーーーか』

パーカーの下からベンズナイフを出して、私とテルを含む全員の影がハンゾーに向かっていった。

ハンゾーに近づくほど、残像は消えていき私とテルの2人だけが残った。

『武器を持ってるのが自分だけだと思わないでよー？』

私自身に気を取られたハンゾーは後ろのテルに気づかなかった。

そしてそのままテルに膝カックンされて膝を着いた。

首にはナイフ。

『どうだ！まいったか！』

ハンゾーの前に立って上から目線で言うと、俯いていたハンゾーは急に顔を上げて右手の刀を私に振った。

こいつ…殺気が感じられなかった。

ワンテンポ逃げるのが遅れた私の右腕からお腹にかけてがすっぱり切られた。

｢っA！！｣

ガチャガチャと、音を立てて服の切れ目から色んな武器が落ちた。

ハンドガンやら麻酔銃やら毒薬やら…。

いや、うん。周りの人の顔がドン引きしてるのが見える。

さっき心配してくれてたゴンもなんか、顔がひきつってるよ…

念の為、ってやってたらこの量になっちゃったんだよね…仕方ないよね…？

というか、

『うわ、最悪。…こんな所で晒したくないんですけど。』

右手を見ればぽたぽたと滴るピンクの血。

ついでにパーカーの切れ目からお腹を見ると、お腹も掠っていたようで血が滲んでいた。

まぁお腹の方はかすり傷って感じだから、もうすぐ治ると思うけど。

しかし、ここにいる人に血を見られたと思うと、声も低くなり眉間に皺が寄る。

腕の傷は少々深い。

いずれ治るとはいえ、早く血を止めたかった。

左手でベンズナイフを構えてハンゾーの首元へ持っていく。

テルの姿を消して、完全な私とハンゾーだけの空間に戻した。

『…動いたら斬る。毒付きだから気をつけてね』

｢殺したら失格だぜ？｣

『神経系の毒だから死にたくても死ねないよ。』

私が折れる気がないのが分かったのか、ハンゾーはまいったを宣言した。

あーあ、みんなの視線が痛い…

『ごめんね』

そう言って会場を出た。