目隠し少女と盗賊団 (ページ42)

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Episode141 ／才能の塊ページ42

『…あ、いた』

木の上からキルを探せば、のんびりと歩いている姿を見つけた。

キルが歩いていく方向へと先回りして、いかにもたまたま会いました、というふうに声をかけた。

｢…おまえ尾けてた？｣

『なんのこと？』

｢…いや、俺の勘違い。｣

尾けてたとは少し違うけど、勘づかれるとは…私もまだまだだ。

｢…A、プレートは？｣

『それがさ、リュックをどっかで落としちゃってさ…。』

｢プレートも落としたのかよ…｣

猫目をまんまるくして、ため息をついた。

キルア殿、私は知ってるんだぞよ？
君が私のプレートを拾ってくれてるとな！

『てへっ』

｢きもい｣

ふざけて笑えば、頭をべしべし叩かれた。

酷い義兄だ。

『キル、一緒に探してくれない？』

｢…はあー。もう落とすなよ？｣

そう言ってキルは私のリュックをどこからか出して私に返してくれた。

ほんとにどこから出したんだ？え？

まぁいいか。そう言えばキルはこれからどうするんだろう。

『…キルはもープレート集めた？』

｢当たり前だろ？｣

にやあ、と悪戯に笑ったキルにひとつの提案を持ちかける。

『鬼ごっこ、しない？』

昔、一緒に住んでた時は2人で鬼ごっこばかりしていた。

直ぐにイルミの針で、髪色を黒くしていたが、ゾルディック家に行った当初は私の髪はキルによく似た銀色だった。

まぁ、私の方が少し濃い銀色なんだけど。

特に血の繋がりはないし、私の髪色は蜜月の特典なだけだけどキルは私に親近感を持ってくれてゾルディック家では一番よくしてくれた。

歳が離れたイルミやキキョウさんにべったりだったカルトよりはキルの方が親しみやすかった。

アルカにはたまにしか会わせて貰えなかったけど、唯一の女の子同士ってのもありすごく仲良かった…と勝手に思ってる。

｢いいぜ、最終日に鬼だった方が負けな？｣

『分かった、罰ゲームは？』

私はにやっとほくそ笑む。

キルもにやっと笑った。

｢負けた方はひとつ勝った方の言うことを聞くってのは？｣

『うん、いいよそれで！じゃー、最初の鬼は…』

ジャンケンの結果、負けたのはキル。

私はキルが出したチョキを見た瞬間全力で逃走した。

私は自分に念の使用を一切禁じた。

キルとフェアじゃなきゃ楽しくない。

実際、念を抜いた私と今のキルとではどちらが勝つか分からない。

キルどれくらい成長したんだろう…。

キルと別れてから4年弱…。

才能の塊ＶＳ才能に恵まれた蜜月…不安だ…