Episode117 / 卵とネテロ氏 ページ18
「降りるよ♣」
体が浮遊感に包まれると同時に、ヒソカの手が離れた。
円で掴む糸と卵の位置を把握して、しっかりと掴む。
そして壁に飛び移って登ろうとすると、
「上昇気流に乗った方が楽だよ♥」
との声が聞こえてその場に留まる。
「今だ!」
の声にみんなが一斉に手を離す。
再び浮遊感に包まれた体はふわっと風邪に乗って上がった。
片手で卵をを持ちながら、もう片方の手でしっかりフードを掴む。
すごい強風で取れそうなんだけど…やばいって。
ここで蜘蛛の刺青でも晒されたらもう私は終わりだ。
賞金首ハンター志望もいるようだし…
崖の上に登って卵を茹でているのを見ていると、キルに思いっきり頭を叩かれた。
「ほんっと言う事聞かねーやつだな!」
『キルが子供扱いするからだよ!いつまでも妹だと思わないでよね!』
「俺からしたら妹だっつーの」
呆れたように笑うキルとゴンに私も笑う。
茹で上がった卵はめっちゃ美味しかった。
場所は変わって飛行船。
「次の目的地へは明日の朝8時到着予定です。それまで自由に時間をお使い下さい。」
マーメンのその言葉で、43名の受験者はばらばらになった。
「ゴン、A!飛行船の中探検しよーぜ!」
「 『うん!』 」
「Aはちょっと残ってくれんかの」
走りかけた私の足を止めたのはネテロさんの声。
死ぬほど嫌な顔をした私は、ゴンとキルに先行くように言ってからネテロさんの元へ歩いた。
キルはネテロさんのこと異様に敵対視してるからなー
あんまりいい顔してないだろうな。
なんて言っても、私のキルの姿は8歳辺りで止まってるから今の姿は分からないから想像しようがないんだけど。
ネテロさんは着いて来なされ、とだけ言って消えてしまった。
『………はぁぁぁぁあ??』
私の叫び声が飛行船中に響いた。
消えた、という表現は正しくない。
念を使って消えるように移動したのだ。
でも私にとっては気配が一瞬でどこかへ行ったのだから消えたも同然だ。
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作者名:ろりお | 作成日時:2019年8月4日 10時