目隠し少女と盗賊団 (ページ39)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:81,340 hit

Episode138 ／針男の正体ページ39

ヒソカに戦いを申し込んだ男は一方的に槍を振り続けた。

ヒソカは防戦一方で…男の人が少し可哀想に思えた。

ヒソカに負けるであろう男が私のターゲットだったら、ヒソカに譲ってもらおうと企んでいたのだが…。

二人が何か話していると思えば、私のフードが取れて視界が明るくなる。

『…は？』

わんテンボ遅れて、誰かに取られたのだと気づいた。

犯人であろうやつを見れば…

『…あの時の針男…』

さっと距離を取って相手を睨む。しかし、針男は私の方など見向きもせずに、針をヒソカと戦っていた男に投げた。

あれ、あの針って…

え？いやまさか、ね

『…あのー、お取り込みのとこすみませんがそれ、返してくれません？』

ヒソカと話していた針男に声をかける。

｢…嫌だね｣

｢なんで他人行儀なのさA♣｣

｢Aは俺だって知らないからね｣

そう言った針男は、顔に刺さっている針を抜き始めた。

『…え、え、え？なにやってるの頭は大丈夫ですか？』

ボコッボコッと顔が変形していくのを見たくなくて目を塞ぐ。

｢殺すよ？｣

さっきと変わらない声が聞こえて、でもどこか懐かしいそれにそーっと目を開けた。

『…え？イルミ！？』

思わず叫ぶと、針が5本飛んできた。

｢声がでかいうるさい。俺いまギタラクルだから。次イルミって言ったら殺す｣

｢…本当に知らなかったんだね♦｣

ギタ、ギタラ、ギタラクル…

静かに笑いを堪えているとさらに針が飛んできた。

しっかり取ってヒソカに投げ返しといた。

『んで、イル…ギタラクル私の目隠し返してよー』

忘れかけていた要件を思い出してイルミ、基ギタラクルに詰め寄る。

｢嫌だね。｣

『なんで？』

｢……自分で考えなよ｣

そう言ったギタラクルはヒソカにプレートを渡すと、地面に穴を掘って埋まって行った。

『…あいつ…許さない…。ってかヒソカ、それ何番？さっきのお詫びにちょーだい』

｢…80だよ♠というか…イルミもキミも根に持ちやすい性格だよね♣｣

『…あーターゲットじゃないや。それどういう意味？』

｢なんでもないよ♥それでも欲しいのかい？｣

ヒソカはプレートを私に見せながら問う。

『んー…いーや、ターゲット狩るから』

そうか♠と言ったヒソカにお礼を言ってから立ち去った。

いつまでもあそこに居たってゴンの邪魔になっちゃう。

それに…そろそろ後ろの男達を狩らなきゃ。