目隠し少女と盗賊団

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:81,382 hit

Episode100 ／母を知るものページ1

｢船長！いろいろありがとう！元気で！｣

『私もお世話になりました！』

ゴンと並んで挨拶をする。

｢うむ、達者でな｣

そう言うと船長は、一本杉を目指せ、と教えてくれた。

｢おい、嬢ちゃんちょっといいか｣

『はーい。』

ゴンが待ってるよ、と言うのに対し

『一緒に行動出来ないかもしれない。ここから先何があるから分からないしね。だから先に行ってて』

そう言うと、不服そうな顔をしながらもレオリオたちに呼ばれて歩いていった。

｢…Aと言ったな？｣

『はい』

｢A=シルバーナ、母親の名前は、レイン=シルバーナ、か？｣

船長さんは私を品定めするような視線でみる。

『…お母さんを知っていますか？』

彼が言った母の名前は事実である。
なぜ、彼が知っているのか…

｢昔、今のお前みたいに船に乗せてやったんだ。お前の髪は母親そっくりだ。｣

『…お母さんもハンターに？』

もしかして、と期待を込めて尋ねれば船長さんは頷いた。

｢お前の両親はハンター試験で出会ったらしいな。お前が生まれた時に自慢しにオレのところに来たさ｣

少し、父と母のことを知れた気がする。

ジンも私が生まれた時に自慢された、とぼやいていた。

お父さんとお母さんは、私を愛してくれていたのだろうか。

まぁそんなことはどうでもいいか。

私には彼らの記憶が無いのだから。

｢…わりぃな、引き止めて。行きな、頑張ってハンターになれよ｣

そう言うと船長さんは船の方へ歩いていった。

私はもう一度、船長さんにお礼を言い一本杉を目指して走った。

少し足に念を込めて走るとすぐにゴンたちの後ろ姿が見えた。

薄気味悪いところだなー

人が全くいない通りかと思えば、周りから息遣いや衣擦れの音が聞こえてくる。

『ゴン、何してるの？』

何故か進まずに止まっているゴンたちに声をかける。

ゴンは正面のおばあさんを見て、

｢クイズに正解しないと通れないんだよ｣

と一言。

なるほどなー不正解なら不合格…ってとこか

だから皆止まっているのか。

『じゃ、私先行っても｢おいおい早くしてくれよ。なんならオレが先に答えるぜ｣…いや私が…』

後ろから来た男が私の声を遮って先に進んでいく。

クラピカの譲ろう、の一言でみんなその気になっちゃってるし…私が行きたかった…

すると、おばあさんは不思議なクイズを出した。
いや、クイズとも呼べるのかな