Episode87 ／ 勝利の一本 ページ38
｢…んな顔すんなよ｣
そう言ってわしゃわしゃと頭を撫でられる。
｢明日、最後に実力確認がてら俺が相手してやる。そこで、俺に合格と言わせれたらいいもんやるよ。ほら、今日はもう寝ろ。｣
そう言ったジンはそのままごろんと横になった。
数分後には寝息をたてていて。不用心な…
『ジンのバカ…良いものなんて要らないし。』
私もジンと反対側を向いて寝る。
しかし時間がいくら経っても眠気は襲ってこず、明日を思って悲哀した。
体を起こして、ジンの背中にそっと寄り添う。暖かくて、温かくて。
そのあたたかさに縋り、誘われるように眠りについた。
｢おい起きろ｣
いつもの様に叩き起され、一緒にご飯を食べる。
当たり前のことが当たり前でなくなる今日、この一瞬一瞬を噛み締める。
｢さあ、はじめよう。本気で来い｣
『…ジン、もし私があなたを傷つける時迷わず殺して』
真面目に言ったのに、少し間が空いてからジンは私の頭を小突きながら笑った。
お前に心配されるよーな生き方してねぇ、ってね。
かっこよすぎですか
なんて考えているとジンが動いた気配がした。
距離を取って円を広げ、堅で攻撃を防ぎ更にその腕を掴もうとすると大きく振り払われる。
約2時間、私の本気とジンの格闘は続いた。
お互い…否私の息は切れていたが、私は相手の隙を探っていた。
右足でジンの顔面へ上段蹴りをするとみせかけて、左でジンを殴る。
相手も堅で守っていてそこまでダメージはないらしい。
まぁ分かってたけどね。
そこで私は態と一瞬隙を作った。
ジンがその隙を見逃すはずもなく、私の鳩尾を狙って拳を繰り出す。
私はそれを堅を強めて受ける体制をとり、久しぶりにあの子を呼んだ。
私にジンの拳が当たったその瞬間、最大の念を込めた上段回し蹴りがジンに当たったのが見えた。
ジンも予想していなかったようで、大きく吹っ飛んだ。
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k.k - 一人目の弟子……カイト？ (2020年10月5日 17時) (
レス) id: db3fbbd863 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - 美桜琉さん» コメントありがとうございます！読者様の反応が気になっていたので凄く嬉しいです笑モチベ上がります！頑張りますね~ (2019年8月2日 18時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - ほんっとうに面白いです、、、これからも更新頑張って下さい！ (2019年8月2日 18時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年7月21日 8時
