Episode63 ／ 涙は飲んで ページ14
夜、私は早めに部屋に戻った。
逃げるのに必要なものをまとめる。
『こんなもんか…。』
みんなに一斉に追いかけられたら私は即効捕まってしまう。慎重に…バレちゃダメだ。
特にフェイタンとかに追いかけられたらもう終わりだ。
とりあえず体力温存のために寝ようかな。
ここを出るのは4時間後、深夜3時。
ベッドに寝転ぶと、思いのほかすぐに眠ることが出来た。
目覚めると、誰かに膝枕をされた状態。
『…えっ』
｢やぁ♥｣
なんでお前がいるんですかね、ヒソカ。
｢まぁそんな顔しないでよ♣逃げるつもりなんだろ？お別れを言いに来たのさ♥｣
髪を下ろして、変なメイクを取ったヒソカはただのイケメンだ。
『…っ、何言ってるの？』
ははっ、と笑って誤魔化してみても、ヒソカの笑みは崩れない。
｢安心しなよ、誰にも言わない♠キミもハンター試験受けるんだろう？ボクも受けるんだ、その時に会おうじゃないか♥｣
ヒソカは…嘘つきだけど今は本気っぽい…。
『…分かった。お願いだからほんとに言わないで。』
｢はいはい♥ほら、お別れのハグ｣
そう言ってヒソカは腕を広げた。
理由を聞かないヒソカに安心して、そっと抱きついた。
今までヒソカに抱きつこうとするとマチやノブナガ達にとめられていたから、何気に初めてかもしれない。
『ヒソカ…ありがと』
｢んー今日は珍しくボクに甘えただね♥｣
誰だっていいわけじゃない。でも旅団のみんなには甘えたくなる。
もう泣かないよ。涙は飲み込むんだ。
『ヒソカ…これ巻いてくれないかな』
｢あれ、付けちゃうのかい？｣
『視覚なんていらないよ。無い方に慣れちゃったしね。』
丁寧に巻いてくれたヒソカにお礼を言ってフードを被る。
｢A…首にいれたんだね♦｣
『そう。死ぬまでみんなとの仲間の証が残るでしょ？』
｢キミもなかなかだね♥……元気でね｣
いつもの巫山戯たトーンじゃなく、きっとヒソカの本心。
ありがとう、そしてさようなら。
私はヒソカに、飛び切りの笑顔を向けて窓からそっと飛び降りた。
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k.k - 一人目の弟子……カイト？ (2020年10月5日 17時) (
レス) id: db3fbbd863 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - 美桜琉さん» コメントありがとうございます！読者様の反応が気になっていたので凄く嬉しいです笑モチベ上がります！頑張りますね~ (2019年8月2日 18時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - ほんっとうに面白いです、、、これからも更新頑張って下さい！ (2019年8月2日 18時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年7月21日 8時
