第四十四話 ページ48
’
「…なんかされたらどうすんだァ」
『御館様からの接近禁止令も出てますし、直接は何もしてこないと思いますよ』
悪い噂は増えるかもしれないけど、顔が広まってるわけじゃないし
「手出ししてくるんじゃねえか?」
『何とかなりますよ。皆は日天さんの期待通りに、私をいじめて、彼女に甘くしてくれればいいんです』
「…Aちゃんにそんなことできないわ!」
『彼女みたいな性格の人には効果あると思うんですけど…』
「それでも…っ」
『皆さん、お願いします。協力してください』
机につくかぎりぎりまで、頭を下げた。
「……分かりました。」
「本気で言ってるのか?胡蝶」
「こうも頼まれたら断れないでしょう?」
しのぶちゃんがそう言ってくれたおかげで、他のみんなも渋々承諾してくれた。
『…っ、ありがとう。助かる』
これで彼女も少しは大人しくなる、そう思っていた。
**
「きゃあっ……!なんで、押すんですかぁ〜」
『なんでここにいるんですか?』
蝶屋敷。
そこには、もはや私専用と化してる部屋がある。
昨晩この部屋に泊まって、任務に行こうと思ったら刀を忘れたのだ。
なので、刀を取りにその部屋に行こうとすれば日天さんが出てきたのだ。
死ぬほど引きつった驚愕の表情をうかべた彼女は、
廊下の先からしのぶちゃんの声が聞こえた瞬間、自分から転んだのだ。
そして冒頭に戻るんだけど
「…どうしたんですか」
『私が押したらしい』
「……助けてしのぶちゃん…!Aちゃんが、私を見たら近づいてきて…急に押してきて…」
泣き真似をして、顔を膝に埋めた彼女を見てしのぶちゃんの笑顔が歪んだ。
「…ふざ『しのぶちゃん』…どこも怪我は無いですか?向こうでアオイに手当をしてもらってくださいね」
私を見て、一瞬躊躇った彼女だがすぐに切り替えてくれた。
「私ぃ〜、しのぶちゃんに手当してもらいたいな〜?」
いやほんっとにこの子図々しいな
「…分かりました。行きましょうか」
去り際、申し訳なさそうにこっちを見たしのぶちゃんに少し罪悪感が湧いた。
ていうか、なんであの子私の(違う)部屋から出てきたんだろうね
まさか、とは思うけど念の為確認すれば、
私の刀がなくなっていた。
………最悪って言葉は多分今のために作られたんだと思う。
いやほんと
最悪
でも、彼女が刀を持ってるように見えなかったな
私の刀は長いから隠せないはず
2765人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廣岡唯 - みさにしましたよ (11月15日 14時) (レス) @page15 id: 4e412208c6 (このIDを非表示/違反報告)
漓流芭 - 悪女を 無粋実(ぶすみ)にしました WW草越えて土WW (7月11日 0時) (レス) @page50 id: 7a2db06ea4 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 私、悪女の名前「悠魔(ゆうま)にしました!でもなんかこの名前嫌だったので変えました〜 (2022年8月10日 10時) (レス) @page4 id: 4fd94a1d21 (このIDを非表示/違反報告)
リータ一 - 悪女の名前を饒舌留 生五味(しゃべる なまごみ)にしたWW (2022年5月13日 19時) (レス) id: 52c0e09012 (このIDを非表示/違反報告)
ラト - え?まって十三話のやつ、冨岡さん...かっこいいかよッ!!!((←そこじゃないだろ))私悪女の名前“琉涅”(るね)にしたけど途中から自分でもなんて読むのかわからんくなったww (2020年10月31日 20時) (レス) id: 8c4c38e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ろりお | 作成日時:2020年2月1日 12時