第二十四話 ページ25
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蝶屋敷を飛び出した私は、藤屋敷へと全速力で走った。
「カァッ!!南西ノ方向カラ向カエ!!北東ニ甘露寺ィ、伊黒ノ姿アリィッ!」
鴨丸がそう言いながら、私の周りを飛ぶ。
私が疲れるから、肩に乗らない優しい奴。
息切れで話すこともままならないので、軽く手を挙げて了解の趣旨を伝えると、満足気に飛んで行った。
でも……なんで、蜜璃ちゃんと伊黒さんが
もしかしたら、本当にこのまま柱を追放されるのかもしれない。
…仕方ないのは分かってる、でも、もう少しだけ
鬼殺隊でいさせて欲しい。
役に立たないと…
だから、今はみんなに会いたくない。
御館様には文を出し、しばらくの間身を隠すこと、任務には行くこと、叶美ちゃんといることを報告した。
「君は自分に素直になりなさい。噂は気にしなくていい。Aはそんなことをしないということは、分かってるから」
御館様からそんな文を頂いた。
『…あの方は、いつも欲しい言葉をくださる…』
思わず目頭が熱くなった。
最近は、叶美ちゃんと任務は行くけど、いつも一緒にいるわけじゃない。
私が、しばらく他の柱に会わないという話をしてから、任務以外の時は会わなくなった。
だから今もこうして一人で見回り中、なんだけど
私は、考えるのをやめて、その場に止まる。
鬼の、気配がする
藤屋敷の中…から
刀をいつでも抜けるようにして、私は門を叩いた。
「鬼狩り様でございますね」
『はい。一晩泊めていただけませんか?』
このおばあさんは…鬼じゃない。
じゃあ、建物の中に既に鬼が紛れてるのかもしれない。
藤の花で囲まれたここに入れる、ということはそこら辺の雑魚鬼じゃない。
私にやれる…?
いや、殺るんだ。
おばあさんの案内に従って、屋敷へと足を踏み入れた。
中に入れば、微かだった鬼の気配が濃くなった。
いる、ここに。
『おばあさん、お水を頂けませんか?』
おばあさんは台所の方へ行ったのを確認して、私はの反対へと向かう。
鬼の気配が一番濃い部屋の前で足を止めた。
障子の向こうは真っ暗、だけど人の気配もする。
刀を抜いて、勢いよく障子を開けた。
「ッぎゃぁぁあ!!出たぁお化け!お化けだよぉ!!!」
少年二人と猪一匹、少女一人
女が鬼か
私の位置からなら刀も届く。
私の背丈ほどある刀だから。
私は刀を振った。
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廣岡唯 - みさにしましたよ (11月15日 14時) (レス) @page15 id: 4e412208c6 (このIDを非表示/違反報告)
漓流芭 - 悪女を 無粋実(ぶすみ)にしました WW草越えて土WW (7月11日 0時) (レス) @page50 id: 7a2db06ea4 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 私、悪女の名前「悠魔(ゆうま)にしました!でもなんかこの名前嫌だったので変えました〜 (2022年8月10日 10時) (レス) @page4 id: 4fd94a1d21 (このIDを非表示/違反報告)
リータ一 - 悪女の名前を饒舌留 生五味(しゃべる なまごみ)にしたWW (2022年5月13日 19時) (レス) id: 52c0e09012 (このIDを非表示/違反報告)
ラト - え?まって十三話のやつ、冨岡さん...かっこいいかよッ!!!((←そこじゃないだろ))私悪女の名前“琉涅”(るね)にしたけど途中から自分でもなんて読むのかわからんくなったww (2020年10月31日 20時) (レス) id: 8c4c38e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろりお | 作成日時:2020年2月1日 12時