第二十三話 ページ24
’
『何の話を…してるの?』
部屋に入れば伝わってくる、ピリピリとした空気
どことなく怖い、笑っているのに笑っていないみんなの笑顔
それらに気付かないふりをして、精一杯笑ってみる。
上手く笑えてるかな
「…任務ではなかったのですか?」
初めて、本気でしのぶちゃんの笑顔が怖いと思った。
『早く終わって、毒をもらいに。…それより、何の話をしてたの?柱合会議じゃないのにみんなが集まるなんて…珍しいよね』
「煩せェ、テメェに関係ねェだろォ」
「お前には関係の無い話だ愚図め」
二人に同時にそう言われ、疑心が確信に変わる。
不思議と、悲しくはなかった。
そう思われるような、私が悪いから。
『それは…私が柱として相応しくないから、だよね』
ここにいたくなくて、みんなの顔を見れなくて
俯いて外に出た。
『ごめんね』
そう言い残して。
**
ゴンッ
「ッテメェ何しやがる宇髄ッ!煉獄!」
「お前こそなんて言い方しやがんだ!!」
「なんとなくだ!!」
Aが去った室内に、鈍い音が響いた。
言わずもがな、それは宇髄と煉獄が、両サイドから不死川の頭を殴った音だ。
そしてその反対側では
「なんでそんな言い方するのよ伊黒さん…!!」
「この場に彼奴がいたら話が進まないだろう」
「あれじゃAが勘違いしていてもおかしくないですよ?」
甘露寺と胡蝶、これまた、両サイドから責められる伊黒
「…私はAちゃんを追うわ…!」
そう言って部屋を出ていく甘露寺に、不機嫌な伊黒もついて行った。
傍から見れば、この部屋はカオスだ。
ピリピリとした緊張感…そんな空気が漂っていた。
もしここに、下の階級のものでもいれば気を失っていてもおかしくない。
頭に手を当てて溜め息をつく胡蝶
腕を組み、どこを見ているか分からない煉獄
不死川と互いに言い合う宇髄
ジャッジャッ、と数珠を鳴らし念仏を唱え続ける悲鳴嶼
血管が浮き出るほど強く手を握った時透
眉間に皺を寄せ、一定のリズムで机を指で叩く冨岡
こんなにも動揺する柱を、一体誰が見たことがあるだろうか。
この状況が日天の思い描くもの通りだということに、まだ誰も気づかない
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廣岡唯 - みさにしましたよ (11月15日 14時) (レス) @page15 id: 4e412208c6 (このIDを非表示/違反報告)
漓流芭 - 悪女を 無粋実(ぶすみ)にしました WW草越えて土WW (7月11日 0時) (レス) @page50 id: 7a2db06ea4 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 私、悪女の名前「悠魔(ゆうま)にしました!でもなんかこの名前嫌だったので変えました〜 (2022年8月10日 10時) (レス) @page4 id: 4fd94a1d21 (このIDを非表示/違反報告)
リータ一 - 悪女の名前を饒舌留 生五味(しゃべる なまごみ)にしたWW (2022年5月13日 19時) (レス) id: 52c0e09012 (このIDを非表示/違反報告)
ラト - え?まって十三話のやつ、冨岡さん...かっこいいかよッ!!!((←そこじゃないだろ))私悪女の名前“琉涅”(るね)にしたけど途中から自分でもなんて読むのかわからんくなったww (2020年10月31日 20時) (レス) id: 8c4c38e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろりお | 作成日時:2020年2月1日 12時