[鬼滅の刃] 柱が私に甘すぎる

第十九話 ページ20

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「では、これからのことを決めましょう」


臨時柱合会議、司会役･胡蝶しのぶがパンパン、と２回手を叩いた。

今更だが、柱９人が座るこの机は、円形になっており互いの顔がよく見える。



「噂を鵜呑みにした奴を派手にぶっ飛ばそう」



「それじゃあキリが無い。まず首謀者を吐き出させて探し出す」



意見はいいのに、方法が分からない故に恐ろしい



「その首謀者って誰なの？」


「ンなの分からねェから探すんだろォ！」


時透に荒々しく返す不死川だが、気にする風でもなく時透は続ける。




「柱以外にAの存在を知ってる人がいるの？」



「「「………」」」


時透のこの意見は正論だった。



A自身が望んだため、Aの存在は隠されている。
それ故、階級を偽っているのだ。



「俺の嫁３人」

「私の屋敷の者５人」


「だが、そんなくだらねぇことを言う奴らじゃねえ」
「ですが、そんなことをする人はいません」


宇髄と胡蝶の言葉が被る

が、

宇髄の嫁のことをよく知る者や、蝶屋敷を利用した事のある者は、二人の意見を肯定した。


「他に知ってる奴ァいねェのかァ？」


無言は肯定

誰も何も言わない。



「…ちょっと待ってください。それじゃ、この中の誰かがAの噂を？」


珍しく眉間に皺を寄せて、笑っていない笑顔で一同の顔を見る。


だが、それは胡蝶だけじゃなく、他の柱も同じことだった。




「あの…私はこの中にそんなことをする人がいるなんて思えないんですけど…」



互いに睨み合う時間が流れる中、恐る恐ると言うふうに甘露寺が手を挙げた。



「…じゃあ、一体誰が…」



誰の呟きかは分からないが、それきり誰も言葉を発さず、沈黙が訪れた。









どれほど時間が経っただろうか。


「…誰も言わねぇから言うが。」



「ここにはあと二人、柱が足りねぇ。」


意を決したように宇髄が口を開く。

この沈黙の間、誰もが一度は考えたことだった。



「Aが自分でそんな噂を流すような奴じゃねえのはお前らも分かってんだろ？」


「「「…日天叶美」」」





「俺は最初から怪しいと思っていた」


「…今も、共に任務中じゃないのか」


「…まだ決定した訳では無い…Aの保護が先…」



「悲鳴嶼さんの言う通りです。もし仮に、日天さんが首謀者だったとしても…泳がせるのも、ひとつの手ですよ？」



実にいい笑顔で胡蝶はそう言う。


彼女は少し、非情なところがある。

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