第十話 ページ11
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「いつまで寝てんだァてめェ」
息苦しさに目を覚ますと、不死川さんが私の首を掴んで持ち上げていた。
『な、ん…』
脳に酸素が回らなくなって、震える手で不死川さんの手を掴む
が、それもすぐに叩き落とされた。
「あァ?てめェを始末するよう言われてんだよォ、御館様に」
……え
回らない頭で、私が今から死ぬ、ということは理解出来た。
あぁ、そっか
私はみんなの命令に従わず、後輩に怪我を負わせた挙句、煉獄さんとしのぶちゃん、無一郎に助けられたんだ。
柱として、みっともない
死んで、償うのが当たり前か
そう理解して、私は不死川さんが首を絞めるのを他人事のように見ていた。
*
何故か、目が覚めた
周りを見渡せば、そこは産屋敷邸の庭だった
私はもう、死んだんじゃないのかな
理解できないまま、私はその場に立ち上がる。
不思議と、傷は痛まなかった。
「あら、起きたんですか」
『しのぶちゃ……』
後ろから声をかけられて振り向けば、全く笑みを浮かべていないしのぶちゃんの姿が目に入った。
「なんでまだ生きてるんでしょうか。あなたのせいで何人の方が亡くなったと思ってるんですか??」
「…可哀想な子だ、すぐに楽にしてあげよう」
後ろを向けば、さっきはいなかった悲鳴嶼さんの姿が
「派手に首を斬ってやるぜ?地味なんだから最後くらい派手にな!!!」
「そんなことをしたらお庭が汚れちゃうわ…!」
「地味な奴は地味に絞首でいいだろう」
「なんでもいいけど早くしようよ。顔も見たくない」
「よもや!人を傷つけるものに慈悲は必要ない!!!」
「……」
「役立たずのAちゃんなんていらないんだよ〜?」
気づけば柱全員に囲まれていて
みんなの言葉が頭の中で反復する
「役立たず」
その声はどんどん大きくなって
「忌み子」
「疫病神」
「早く、消えてよ」
いくつもの手が私に向かって伸びてきて、反射的に目を閉じる
首に、冷たいものがあたった
*
『いやだ…っ!!!』
ばっ、と体を起こし、ぎゅっと目をつぶっていたのを、そっと開ける
『…はっ…はぁ、はぁ、…あ、れ…』
目の前に広がるのは見慣れた病室。
思わず、首に手をやるがもちろん痛くも何も無い。
夢、だったのかな…
身体中の傷には丁寧に包帯が巻かれていて、それをそっと手で撫でた。
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廣岡唯 - みさにしましたよ (11月15日 14時) (レス) @page15 id: 4e412208c6 (このIDを非表示/違反報告)
漓流芭 - 悪女を 無粋実(ぶすみ)にしました WW草越えて土WW (7月11日 0時) (レス) @page50 id: 7a2db06ea4 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 私、悪女の名前「悠魔(ゆうま)にしました!でもなんかこの名前嫌だったので変えました〜 (2022年8月10日 10時) (レス) @page4 id: 4fd94a1d21 (このIDを非表示/違反報告)
リータ一 - 悪女の名前を饒舌留 生五味(しゃべる なまごみ)にしたWW (2022年5月13日 19時) (レス) id: 52c0e09012 (このIDを非表示/違反報告)
ラト - え?まって十三話のやつ、冨岡さん...かっこいいかよッ!!!((←そこじゃないだろ))私悪女の名前“琉涅”(るね)にしたけど途中から自分でもなんて読むのかわからんくなったww (2020年10月31日 20時) (レス) id: 8c4c38e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろりお | 作成日時:2020年2月1日 12時