変化�� ページ38
____________
紛れもない、寝不足の原因だった。
その彼の顔をマジマジとみて、はっと我に返った私は焦って下を向く。
『な、なんでもない！！！』
急に恥ずかしくなって、散らばったノートを掻き集めていると、かっちゃんはそれを見て呆れたような顔をした。
『かせや』
『え？』
散らばったノートを集め終えた私に彼は手を差し出す。
『半分持ってやる。』
もう半分はてめえが持てや、と
乱暴な言葉でノートの山を半分奪い取った彼はスタスタと職員室までの道を歩き出す
ぽかん、とその言葉の意味が理解出来ず私は反応に遅れてしまう。
はっ、と意識を取り戻した私は彼の背中を追いかけた。
『え、ちょ！待って、』
『んだよ、』
『いや、』
かっちゃんに追いついたはいいものの、私は一体何を言っていいのか分からなくて、口を噤む。
どくんどくんと鼓動を立てる心臓がうるさくて仕方がない。
『なんでこんなことやらされとんだ』
口を開かない私を見かねて、かっちゃんがボソリと呟いた。
それは、
『……マイク先生の授業、寝ちゃったから』
私は至って真剣に言ったはずだった。でもかっちゃんは呆れたような笑みを零し、『やっぱ何よりも馬鹿だなてめえ』とだけ言ったのだ。
その言葉にイラついた私は思わず勢いで捲したてる。
『うるさいなあ！！！一体誰のせいでこーなってると、』
とそこまで言って、はっと口を閉じる。
ばっ、とかっちゃんの方を見ると彼は少し驚いたような顔をしてこちらを見つめていた。
先程よりも大きい心臓の音が彼に聞こえてしまいそうだ。
私はぎゅっと持っていたノートを抱きしめる。
『……俺のせいかよ』
ポツリ、と零した声はどこか嬉しそうだった。
そうだよ、かっちゃんのせいだよ、とは言えなかった。
『……うるさい』
『お前、俺を意識しとんだな』
『もう、うるさいってば！！』
恥ずかしくなって顔を覆いたくなる。
それは、両手に持っているノートに妨げられたから私は気持ちだけでもとかっちゃんから顔を逸らした。
恥ずかしいという感情と、彼といつも通りに話せた安心と、
そして、何処か変化してしまったこの距離感がもどかしくて、
『……もっと意識しろや』
かっちゃんの一言に私はドキンと胸を弾ませたのがわかって、私は又もや下を向いてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 996人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aya(プロフ) - あかねさん» うわああ嬉しいです！派閥ほんとに尊いですよね、更新頑張ります！コメントありがとうございます！！ (2020年3月30日 15時) (
レス) id: 2714266e9e (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - あああ甘酸っぺえーー！！好きです！派閥組好きやから余計好きが溢れます！更新楽しみにしてます、頑張ってください(^^) (2020年3月29日 23時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 有毒性高めの味噌汁さん» あああ分かります！かっちゃんかっこいいですよね！更新頑張ります！ありがとうございます！ (2020年3月29日 21時) (レス) id: 2714266e9e (このIDを非表示/違反報告)
有毒性高めの味噌汁 - かっちゃんにきゅんきゅんしすぎて心臓が痛いよー！更新頑張ってくださいー！ (2020年3月29日 21時) (レス) id: b6aa212c61 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - リョンリョンさん» ホワホワしていただけてほんとに良かったです！！！ただの私の欲の塊の小説ですがこんなコメントいただけてほんとに嬉しいです！！更新がんばります！ありがとうございます！！ (2020年3月27日 23時) (レス) id: 2714266e9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：aya | 作成日時：2020年3月20日 12時
