覚悟�� ページ10
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シンと静まり返った教室。
今になって、皆と楽し気な声が聞こえてきて、ああもう煩いと耳を塞いでしまいたくなる。
範太の顔を見るのが、反応を見るのが、怖くて
私は直ぐに俯いた。
沈黙が長く感じて、先程我慢したはずの涙がぽたぽたと床に染みをつくる。
お前が泣くな。
何もしてないお前が
片手で拭って、無理矢理涙を止めた。
『...そ、っか』
聞こえたのは、彼の乾いた笑い
『...好きな奴、いんの？』
彼のそんな問いにゆっくりと頷いた。
まだ、顔はあげられない。
『...誰か聞いてもいい？』
言って、いいのだろうか。
ゆっくりと顔をあげて、彼の目を見た。
悲しそうな目と、無理矢理あげた口角に胸がずきんと痛む。
『...私』
彼の耳に口を近づけて、そっと、その人の名前を囁いた。
口を遠ざけて、改めて範太の顔を見ると、『あー...そっか』と笑う。
『そっか...』
俯いた彼に私は何も言ってあげられない。
何も頭に思い浮かばない。
『私ね、範太のこと好きだよ、ほんとに、ほんとに...すき、ッ』
無理矢理口を開いて、空っぽの頭で考えて、口からそれを紡ぐと、言葉と一緒に涙が出てきた。
気の利く言葉が言えない自分に嫌気がさして只々呻き声をあげた。
そんな私を見た範太はくすりと笑う。
彼の長い指が私の顔に触れて、そっと涙をふった。
『なんでお前が泣くの』
『だ、って』
『いーんだよ、お前、何も悪いことしてねーじゃん』
そう言って、いつも通りに笑う彼。
『...お前の気持ち、もう伝えた？彼奴に』
首を左右にふった。
言えなかった。自分の気持ちを自覚してから、随分と時間が経ったのに私は言えなかった。
理由は明白。
『それ。俺らに気を遣ってるからじゃないよね？』
簡単に図星を付かれて、私は肯定も否定もせず、ただ彼の目をじっと見る。
溜息をともにばしっと軽く頭を叩かれる。
『馬鹿？お前』
『だ、って...』
『だってじゃない。』
ぎゅっと彼の大きな両手に右手を握られる。
『...俺らの為に、自分の気持ち我慢しなくてもいいんだよ』
『お前のことを勝手に好きになったのは俺なんだから』
『お前は余計なこと考えないで、いつもみたいに我儘に、自分勝手に気持ち伝えればいいんだ』
彼の熱が伝播するように、じわりじわりと温かくなる右手。
私も彼の手を握り返す。
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出水紫苑 - 爆豪ぉぉぉぉおぉおぉぉお！！！ (2023年2月22日 16時) (
レス) @page23 id: 461bd7d92a (このIDを非表示/違反報告)
ももたろう(プロフ) - 本当に好きです.........最高すぎます(´TωT｀)心がぎゅうるんってなって（語彙力）涙なしでは見られませんでしたぁぁぁ(´；ω；｀) (2022年5月20日 22時) (レス) @page28 id: 8a120375b5 (このIDを非表示/違反報告)
隣の緑 - お、推しが、爆豪派閥が尊い！aya様、貴女は、神様ですか？ (2021年8月3日 13時) (レス) id: 01d7461e9f (このIDを非表示/違反報告)
しょう - 感動して涙出ました。 (2021年7月18日 23時) (レス) id: 427116d3c5 (このIDを非表示/違反報告)
ニナ(プロフ) - さ、最推しと付き合ってくれてありがとうございます、、。まじでこの小説好きです。出てくる人みんな好きすぎて尊いですありがとうございました。 (2021年3月9日 0時) (レス) id: fec159ffdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2020年4月23日 19時
