覚悟�� ページ9
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無言で前を歩く範太を見た。
ピンと張り詰める空気と彼の背中
あの告白をされた日のような雰囲気に私はごくりと唾を飲み込む。
『...ここ、でいいや』
振り返った彼が止まったのは、使われていない空き教室。
今日が文化祭だということも相まって、誰もきっとここには寄り付かないだろう
彼が足を止めたのと同時に私も頷きながら足を止めた。
『ごめんな、こんなとこで』
『ううん、いいよ』
くしゃっと笑った範太に何処となくほっとして、私もまた笑う。
沈黙が続くと、聞こえてくるのは楽しそうな声。
『あんさ、...ちょっと話あんだけど』
『うん、そうだろうと思ったよ』
あんな緊張感、ないもの、普段の私達には。
きっと大事な話なんだろうと思った。
ははっと軽く笑った範太は片手で頭を軽く掻いて、俯く。
『...ゴメン、彼奴等みたいに、俺待てなかったわ』
ぼそっと呟いた彼の言葉が良く分からなくて、その脈絡のない言葉を必死に理解しようと頭を働かせる。
机の端に腰かけた彼は、不意に片手を持ち上げた。
ぎゅっと掴まれたのは、私の左手。
さっきとは、反対だ。なんてどうでもいいことが頭に過る。
『...A』
『な、に』
はぁ、と彼が吐いた息の音が鮮明に聞こえる。
先程まで聞こえていた、楽し気な声は最早聞こえなかった。
この空間だけ切り取られたみたいに、範太の声と二人の息遣いしか耳に聞こえない。
『...俺の事、どー思ってる？』
彼の言葉に、胸がどきんと跳ねた。
......きっと、これは≪そういうこと≫
さっき言っていた、『待てなかった』という言葉は、そういうことだ。
ピースが一つ一つはまっていって、漸く理解する。
『...まぁ、まだ考えがまとまってないならいいんだ』
『いいんだけど、』
顔をあげた彼の目が悲しそうで、私は息をのむ。
『もし、誰か一人でもお前の中にいんなら、...答えてほしい』
きゅっと握られる左手。
どくどくと胸の鼓動が早くなって、ツーっと私の背中に汗が伝う。
彼の真剣な表情が、悲しい目が、何処となく答えを悟っているかのように感じて、泣いてしまいそうになる。
はぁ、と息を吐いて、胸に手をやって、
私は覚悟を決めた。
彼につながれた左手を、ゆっくりと離す。
だらりと垂れた左手が痛い
『...ごめん』
考えて考えて、考えた末に出た言葉はそんな一言だった。
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出水紫苑 - 爆豪ぉぉぉぉおぉおぉぉお！！！ (2023年2月22日 16時) (
レス) @page23 id: 461bd7d92a (このIDを非表示/違反報告)
ももたろう(プロフ) - 本当に好きです.........最高すぎます(´TωT｀)心がぎゅうるんってなって（語彙力）涙なしでは見られませんでしたぁぁぁ(´；ω；｀) (2022年5月20日 22時) (レス) @page28 id: 8a120375b5 (このIDを非表示/違反報告)
隣の緑 - お、推しが、爆豪派閥が尊い！aya様、貴女は、神様ですか？ (2021年8月3日 13時) (レス) id: 01d7461e9f (このIDを非表示/違反報告)
しょう - 感動して涙出ました。 (2021年7月18日 23時) (レス) id: 427116d3c5 (このIDを非表示/違反報告)
ニナ(プロフ) - さ、最推しと付き合ってくれてありがとうございます、、。まじでこの小説好きです。出てくる人みんな好きすぎて尊いですありがとうございました。 (2021年3月9日 0時) (レス) id: fec159ffdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2020年4月23日 19時
