番外編＊事故とはいっても�� ページ40
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
彼女のその手を引いて、抱き寄せた。
華奢なその肩が震える。
ぽんぽんと背中を叩くと、まるで決壊したダムのように俺の肩を濡らした。
『...悪い、俺そんな大人じゃねーから、やっぱどうしても嫉妬しちまう』
情けないとは思うが、どうしても。
こんなに彼女が謝ってるっていうのに、俺は未だモヤモヤを胸の内に抱えたままだ。
「う゛ん」というぐずぐずな返事が聞こえる。
『だからさ、...俺もしていいか』
ぴくっと動いた彼女の体。
俺の肩に押し付けていた顔をゆっくりあげる。
目が充血している。その頬を指で優しく拭うと、くすぐったそうに身を捩って。
目と目が合う。
別にこういうのは張り合うものじゃないってことは分かってるけど。どうしても
『...上書きさせて』
彼女の瞳が揺れて、静かにうなずいた。
それを確認して、「目、閉じろよ」と呟く。
彼女の整った綺麗な顔が目の前にある。
...こんな感じでキスする予定じゃなかったんだけど。
意外にも、緊張はしなかった、一ヶ月にも渡るイメージトレーニングが良かったのか。
彼女の唇に指を添わして。
頬に手を添えた。
ゆっくりと、近づける。
彼女のピンク色の唇にそっと自分の唇を合わせる。
数秒、くっつけて、それをゆっくり離した。
恐る恐る目を開けるAと目が合って、彼女は恥ずかしそうに目を逸らして。
『...嬉しい』
そう言って笑った。
そんな姿に胸がどきんと跳ねる。
どうすることもできなくなって、また彼女を抱き寄せた。
さっきとは真逆、彼女の肩に顔を押し付けると、優しい手で、髪を撫でられる。
『...やっと、鋭児郎からしてくれた』
ぼそっと呟かれて。
彼女の嬉しそうな声。
そのまま受け流しそうになって。
...ん？ちょっと待てよ
『...やっと俺からって......』
その言い方だとなんだか、可笑しくないか。
そう思いながらAの顔を少しだけ見つめると、はっとしたように口を開けた。
『...どういうことだ？』
『エッ』
彼女の言葉の意味だと、“私からはキスしたことがある”みたいな意味にとれなくもない。
彼女の顔がみるみる朱に染まり、ぱくぱくと金魚のように口を動かした。
そして、
『...じ、実は』
観念したように、話し出す。
番外編＊事故とはいっても�ア�←番外編＊事故とはいっても��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1427人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
出水紫苑 - 爆豪ぉぉぉぉおぉおぉぉお！！！ (2023年2月22日 16時) (
レス) @page23 id: 461bd7d92a (このIDを非表示/違反報告)
ももたろう(プロフ) - 本当に好きです.........最高すぎます(´TωT｀)心がぎゅうるんってなって（語彙力）涙なしでは見られませんでしたぁぁぁ(´；ω；｀) (2022年5月20日 22時) (レス) @page28 id: 8a120375b5 (このIDを非表示/違反報告)
隣の緑 - お、推しが、爆豪派閥が尊い！aya様、貴女は、神様ですか？ (2021年8月3日 13時) (レス) id: 01d7461e9f (このIDを非表示/違反報告)
しょう - 感動して涙出ました。 (2021年7月18日 23時) (レス) id: 427116d3c5 (このIDを非表示/違反報告)
ニナ(プロフ) - さ、最推しと付き合ってくれてありがとうございます、、。まじでこの小説好きです。出てくる人みんな好きすぎて尊いですありがとうございました。 (2021年3月9日 0時) (レス) id: fec159ffdc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：aya | 作成日時：2020年4月23日 19時
