アイスクリーム�� ページ14
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『お、ここ何かよくね？』
文化祭の喧騒から少しだけ抜け出して、丁度木の陰になっているベンチに二人で座る。
先程、ここにくるまでに買ったアイスクリームがたらりと溶けだして、慌ててそれを口に含んだ。
『何味？それ』
『塩バニラ』
『へー、上手い？』
『私は好き、食べる？』
プラスチックのスプーンを持った電気に、アイスを差し出すと彼はおずおずといった様子でそれを掬った。
口に含む様子をじーっと見つめてしまう、
『...ん！うまいなこれ』
『でしょ！』
俺もこれにすればよかった、と彼は笑う。
彼が持っていたアイスクリームはもう8割くらいなくなっていた。
何回か私が食べたせいもある。美味しかった、チョコチップ。
ベンチに座って、『今まで何を食べた』だとか『ミスコンのねじれ先輩がかわいかった』だとか、そんなことを数十分間、だらだらと話をする。
...私もミスコン見ればよかったな、なんてのん気に考えていると、数分間の沈黙が私たちを襲う。
『んで...』
その沈黙を破ったのは電気だった
最後の一口、それを口に放り込んで彼は両腕を空に伸ばす。
『...どーしたの、何かあった？』
優しい口調と、全て見透かしたような顔に胸がきりっと痛む。
範太とあったこと、電気は何も知らないはずなのに
何でそんなに優しい顔をするんだろう。
カップに入った白いアイスを、スプーンで崩す。
ふあ、という気の抜けた欠伸の声と、ざわざわと辺りの木々が音をたてた。
『...範太にね、』
『うん』
脳裏に、範太の悲しそうな笑顔が過る。
『...範太に、自分の気持ちを伝えたの』
ぎゅっと両手でアイスのカップを掴むと、簡単にそれは形を変えた。
ふやけた紙の感触。
...伝えたのだ。自分の気持ちを。
電気の顔をじっと見つめると、彼は一瞬驚いたように目を見開いて、そして
『...そっか、』
と笑った。
頑張ったじゃん、と付け加えて彼の手がくしゃりと私の頭を撫でた。
きっと、彼は色んなことを察してくれている。
私の言葉足らずな気持ちを全部汲み取って、全部察してくれている。
だって、電気はそういう人だから
『んで？』
ふ、っと彼の手が離れて行って、私はぱちぱちと瞬きを繰り返す。
さっきまで木陰だったはずなのに、太陽の光が目に入って眩しくて仕方がない。
『...俺には、気持ち伝えてくんないの？』
彼の言葉に心臓が跳ねた。
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出水紫苑 - 爆豪ぉぉぉぉおぉおぉぉお！！！ (2023年2月22日 16時) (
レス) @page23 id: 461bd7d92a (このIDを非表示/違反報告)
ももたろう(プロフ) - 本当に好きです.........最高すぎます(´TωT｀)心がぎゅうるんってなって（語彙力）涙なしでは見られませんでしたぁぁぁ(´；ω；｀) (2022年5月20日 22時) (レス) @page28 id: 8a120375b5 (このIDを非表示/違反報告)
隣の緑 - お、推しが、爆豪派閥が尊い！aya様、貴女は、神様ですか？ (2021年8月3日 13時) (レス) id: 01d7461e9f (このIDを非表示/違反報告)
しょう - 感動して涙出ました。 (2021年7月18日 23時) (レス) id: 427116d3c5 (このIDを非表示/違反報告)
ニナ(プロフ) - さ、最推しと付き合ってくれてありがとうございます、、。まじでこの小説好きです。出てくる人みんな好きすぎて尊いですありがとうございました。 (2021年3月9日 0時) (レス) id: fec159ffdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2020年4月23日 19時
