37ラバー ページ38
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『いつ死ぬかわからないからこそ、消太くんの特別になりたいし、消太くんの傍にいたいと思う』
『…私ね、別に結婚はしなくてもいいとも、思うの。…そりゃあ、できたらしたいけど、それが消太くんの重荷になるなら、別にしなくていい』
『いずれ、一人になるかもしれない、その覚悟はね、もうとっくにできてるの』
だからね、
『…私と一緒にいてほしい』
ぎゅっと、両手で握った彼の右手が熱くて、熱が伝わるように私の手にもそれが広がった。
少し、怖い。
ここまで言って、それでも駄目だって、そう言われたらと思うと、怖い。
見上げた消太くんの表情が見えなくて、彼が今何を考えているのかなんて到底わかりもしないけど、
…握り返してくれたこの手を、信じてもいい？
『…幸せにできないかもしれないぞ』
『ごめんね、もうとっくに幸せなんだ。単純だから、私』
『泣かせるかもしれない、』
『その分、笑わせてくれるじゃない』
『お前を、最優先にできないかもしれない』
『…最後に、私のところに来てくれるのなら、もう何も言わないよ』
『往生際が悪いな』
『そんなのとっくにわかってるくせに』
貴方と一緒にいることが、それがこの世界で“不幸”だと謳われるなら、いっそ私を不幸にしてほしい。周りから馬鹿だななんて嗤われても、私はきっとそれが正しいことだって信じてる。
ふ、とソファが揺れた。消太くんが立ち上がって、何処かに行く。
え、今このタイミングで何処に行くの。そんな疑問を問いかける暇も無く、彼は奥の寝室に一回入って、すぐに戻ってきた。
『…往生際が悪いのは、俺もだな』
戻ってきた彼の手に握られていたのは、ピンク色の一枚の紙。
…それを、その紙を持っていることが、何を意味するのか、私は一瞬で理解してしまって。
再び歪む視界に、彼の情けないように笑った顔が見えた。
息ができなくて、ぽろぽろと流れる涙を拭う隙も無くて、只々彼を真っすぐ見つめて。
嗚呼、きっと今、凄く不細工だ。
ソファに座る私の前に軽くしゃがんだ消太くんは、私の涙を拭った。
『…俺と、結婚してください』
理想のプロポーズは、素敵な夜景の見えるレストランで。彼が「結婚してください」そう言って、その返事は綺麗なドレスに身を包んで、笑顔で言うつもりだった。
全然違うなぁ。でも、胸がぎゅっと締め付けられるように苦しくて、その苦しさがとてもうれしい。
『…はい』
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トマトまと(プロフ) - 続き→ちゃんと、プロポーズは彼からでしたね。主ちゃんの願いが叶って良かったです。最後に、ayaさんの文章の書き方、読みやすく、面白く、最高でした！素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました！！ (2022年11月20日 10時) (
レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます！プロローグとエピローグの違いにほんわかしました。主ちゃんの行動、相澤先生の考え、ミッドナイト先生の話、上鳴くんの恋心、沢山の人物によってこの物語が完成していて、読んでいてとても楽しかったです！ (2022年11月20日 10時) (レス) @page47 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - ぱりぱり。さん» 感情の変化や、言葉選びには殊更気を使って書いていたのでそこを汲み取っていただけて本当に嬉しいです泣書いてよかったと思いました、、、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 27さん» 大好物！！良かったです！！笑こちらこそ最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！また何処かで見かけたらよろしくお願いします！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 柊さん» 最後まで丁寧に読んでくださって、本当にありがとうございます泣ほっこり、していただけて良かったです、安心しました！！本当に最後までお付き合いいただきありがとうございました！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2021年1月10日 23時
