31ラバー ページ32
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『…何言ってんの、まだ決まったわけじゃないでしょ』
『でも、』
ふわりと優しい香りに包まれる。ミッドナイト先生はとんとんと背中をたたいた。この年にもなって、こんな形で励まされるなんてと頭の片隅では思ったが、それがやけに今の私には心地いい。
『…振られたら振られたで、それでいいじゃない。その時は相澤くんはあんたの運命の人じゃなかったってことよ』
『…運命の人』
『そうよ。…30歳なんてね、いつ来るかわかんない寿命に比べたらまだ全然若いほうなの。これからで出会う人もきっとたくさんいる。毎日美味しいご飯を食べて、いっぱい寝て、お洒落して、綺麗になって、恋人を作って。いつかは結婚して、そんで言ってやんの、ざまあみろって』
『ざまあ、みろ…？』
『私はこんなに綺麗になって、あんたじゃない人と結婚して今とても幸せですって言ってやんのよ。…それに、私は結婚がすべてじゃないと思ってるから、…今の時代、そんな紙切れ一枚の契約で何ができるっていうのよ、そんなのただの押しつけがましい古臭った固定観念でしかないわ。女は家庭には入れだとか、三十路の女は売れ残りだとかクリスマスケーキだとか…うるっさいわ‼‼‼』
『…途中から先生の私情になってます』
誰かに何か言われたことがあるのだろうか。若い世代では、男女の格差というものがどんどんなくなってきていると聞くが、私たちの世代にはまだ根強い男尊女卑が心なしか残っている。思わず噴き出した。
すっかり枯れてしまった瞳がしばしばする。ミッドナイト先生は私から体を離してくすりと笑った。
『…そうやって、少しずつ笑い話に変えてけばいい。いつでもつきあってあげるから』
まだ、振られてないけど。そう言ってくれる人がいるっていうのは、安心する。
もやもやが全部晴れたわけじゃないけど。…そういわれても、ポジティブに先のことを考えるなんて、今の私にはできないけど。
『…振られたら、飲みにつきあってくださいね』
『何言ってんの。いつも暇さえあれば飲んでるでしょ』
『それもそうですね、』
消太くんが何を考えているかなんて皆目見当もつかないけど、それでも、どっちに転んでも、どうにか立ち上がれるような気がした。
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トマトまと(プロフ) - 続き→ちゃんと、プロポーズは彼からでしたね。主ちゃんの願いが叶って良かったです。最後に、ayaさんの文章の書き方、読みやすく、面白く、最高でした！素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました！！ (2022年11月20日 10時) (
レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます！プロローグとエピローグの違いにほんわかしました。主ちゃんの行動、相澤先生の考え、ミッドナイト先生の話、上鳴くんの恋心、沢山の人物によってこの物語が完成していて、読んでいてとても楽しかったです！ (2022年11月20日 10時) (レス) @page47 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - ぱりぱり。さん» 感情の変化や、言葉選びには殊更気を使って書いていたのでそこを汲み取っていただけて本当に嬉しいです泣書いてよかったと思いました、、、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 27さん» 大好物！！良かったです！！笑こちらこそ最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！また何処かで見かけたらよろしくお願いします！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 柊さん» 最後まで丁寧に読んでくださって、本当にありがとうございます泣ほっこり、していただけて良かったです、安心しました！！本当に最後までお付き合いいただきありがとうございました！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2021年1月10日 23時
