29ラバー ページ30
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『……。』
『……。』
しんと静まった部屋の中。漂ってくる珈琲の匂いを鼻にかすめて、何処となく伺うように彼を見た。時刻は6時45分。
テレビから聞こえてくるお天気お姉さんの声に、いつもだったらかわいいなあ、だなんて励まされているのだけれど、今日ばかりは、この雰囲気の中では場違いすぎるその明るさにやるせない気持ちでいっぱいだった。
何も悪いことはしてないはずなのに、＿＿＿…多分＿＿＿＿何だか気まずい。
だって消太くん、起きてから何も言わないんだもの。
『…今日は、何時に帰るんだ』
…喋った。
いや、置物じゃないんだから喋るのは当たり前なんだけど。
ってどういう気持ちでそれ聞いてるんだろ。…やっぱ昨日のこと怒ってんの？
『…なんで？』
黙り込む消太くん。再び静まり返ってしまった部屋の中でテレビの音が天気予報から占いに切り替わる。「今日の良くない運勢なのは〜みずがめ座のあなた！」…へー、そうなんだ。
…って私みずがめ座。最下位って、私が何をしたってんだ。
「ラッキーアイテムは〜」…うんうん、ラッキーアイテムは？珈琲を口に含みつつ、何処か癖のあるアナウンサーの声に耳を傾ける。
『…話したいことがある。』
…テレビの中の占いに神経を注ぎまくっていた私は、消太くんがぽつりと零したその発言に、思わず目を見開いた。ぱちぱちと瞬きを2，3度繰り返して、それで、
『…へ』
やっとこさ出てきた言葉はそんな情けないもので。今度は私が黙り込む羽目になる。何かを訴えるかのような視線に、動揺した。…といっても、ただただ、何も言えず彼を見つめ返しただけだったのだけれど。
「…もう行く、」と一足先に珈琲を飲み終えた彼はいつも通りにリビングから出ていった。続いて聞こえてくるドアを開く音、閉める音。
彼が出ていった部屋はより一層静寂が増して、そりゃあもう、時計の秒針が耳を澄まさなくても聞こえてくるくらい＿＿＿…
動揺する気持ちを何とか抑えようと、マグカップの3分の1ほど残った珈琲を勢いよく喉に流し込んだ。…苦い。こんなに、苦かったっけ。下のほうにインスタントの粉が溜まっていたのだろうか。
『…あ、ラッキーアイテム、聞くの忘れた、』
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トマトまと(プロフ) - 続き→ちゃんと、プロポーズは彼からでしたね。主ちゃんの願いが叶って良かったです。最後に、ayaさんの文章の書き方、読みやすく、面白く、最高でした！素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました！！ (2022年11月20日 10時) (
レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます！プロローグとエピローグの違いにほんわかしました。主ちゃんの行動、相澤先生の考え、ミッドナイト先生の話、上鳴くんの恋心、沢山の人物によってこの物語が完成していて、読んでいてとても楽しかったです！ (2022年11月20日 10時) (レス) @page47 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - ぱりぱり。さん» 感情の変化や、言葉選びには殊更気を使って書いていたのでそこを汲み取っていただけて本当に嬉しいです泣書いてよかったと思いました、、、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 27さん» 大好物！！良かったです！！笑こちらこそ最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！また何処かで見かけたらよろしくお願いします！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 柊さん» 最後まで丁寧に読んでくださって、本当にありがとうございます泣ほっこり、していただけて良かったです、安心しました！！本当に最後までお付き合いいただきありがとうございました！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2021年1月10日 23時
