27ラバー ページ28
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『…迷惑かけました』
深夜の、丑三つ時とでもいうのだろうか。ここに着くまでに人一人としてすれ違わず、ただただ街頭と月の光を頼りにして。
小綺麗なマンションのある角部屋の前でぐーすかと幸せそうに眠っている彼奴を背中におぶりながら、目の前の人に頭を下げる。
『別にそのことに関してはいいのよ。』
べろんべろんに酔いつぶれているAとは逆にはっきりした口調でミッドナイトさんは腕を胸の前で組む。
「ばかやろー…」、不意に耳元で聞こえたやつの寝言に少しだけ眉をしかめると一つため息を落とした。
***
ほんの30分前に遡る。
最終手段として、ミッドナイトさんの携帯に電話を掛けた。
1コール、2コール、3コール。
こんな真夜中に電話をかけるなんて非常識、いつもなら絶対にしないが、今回ばかりは話が別というわけで。
繰り返される無機質な音に、舌打ちをしながら、諦めかけたその時だった。
『消太くんだ〜』
奇跡的につながった電話の向こうにいたのは、予想していたあの人ではなくて、聞き覚えのある声の主。意表を突かれ、数秒頭を整理するのに時間がかかってしまう。
黙り込んだ俺に彼奴は「あ？なんか言えばーか」とだけ呟いた。
後ろのほうで騒がしい深夜のバラエティ番組の音が聞こえる。そして微かにけらけら笑うミッドナイトさんの声。
息を一つ吸い込んで、できるだけ冷静に声を出す。
『…今どこにいる』
『さ〜…？どこでしょう〜』
舌打ちしてやりたい気持ちになる。再び黙り込んだ俺に対して、奴は面白そうにけらけら笑った。とりあえず、ミッドナイトさんといるってことだけ分かった。あの人と一緒なら安全だろうが、恋人がこんな夜中に人に迷惑をかけているというのはどうにもいたたまれない。
もう一度、「どこにいる」と聞こうとしたその時、電話の主が代わった。
『あ、相澤くん？』
『…すいません、ミッドナイトさん』
『え〜？いいのよ、そんなこと。誘ったの私だし〜』
『迎えに行きます。どこですか』
「あら、迎えにくるの？」少し驚いたような声が聞こえて、次にある住所が淡々と告げられる。
『20分、とかで着くと思います』
『ん、りょーかい。気を付けて』
「ほら、相澤くん来てくれるって。」「え〜、…来なくていいんですけど」「何それうける」
電話越しに聞こえる会話にため息を落とし、電話を切った。
そして、冒頭に戻る。
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トマトまと(プロフ) - 続き→ちゃんと、プロポーズは彼からでしたね。主ちゃんの願いが叶って良かったです。最後に、ayaさんの文章の書き方、読みやすく、面白く、最高でした！素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました！！ (2022年11月20日 10時) (
レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます！プロローグとエピローグの違いにほんわかしました。主ちゃんの行動、相澤先生の考え、ミッドナイト先生の話、上鳴くんの恋心、沢山の人物によってこの物語が完成していて、読んでいてとても楽しかったです！ (2022年11月20日 10時) (レス) @page47 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - ぱりぱり。さん» 感情の変化や、言葉選びには殊更気を使って書いていたのでそこを汲み取っていただけて本当に嬉しいです泣書いてよかったと思いました、、、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 27さん» 大好物！！良かったです！！笑こちらこそ最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！また何処かで見かけたらよろしくお願いします！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 柊さん» 最後まで丁寧に読んでくださって、本当にありがとうございます泣ほっこり、していただけて良かったです、安心しました！！本当に最後までお付き合いいただきありがとうございました！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2021年1月10日 23時
