20ラバー ページ21
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やんややんやと瀬呂と言葉を交わしていると、教室の扉が開く音がして、見慣れた相澤先生が入ってきた。いつの間にかホームルームの開始時間になっていたらしい。
熱愛疑惑のこともあってか、俺は先生をじっと見つめてしまう。…といっても見つめたところで何が分かるわけでもなく、ポーカーフェイスの相澤先生は顔をぴくりとも動かさずに教壇に立った。
その後もこれといった展開はなく、淡々とホームルームを終えた先生は「解散」と告げ、出席簿を持ち、教室のドアから出ていこうとする。
…その時、一瞬だけ先生と目が合ったような気がしたのは俺の気のせいなのだろうか。
***
『生徒にバレたぁ!?』
『いや、まだ未遂です。…多分』
「あらまー、やっちゃったわね」なんて人ごとのように言うミッドナイト先生は何処か面白そうに口角を上げた。
…この人は他人のピンチを面白がる習性がある。それはヒーロー時代からずっと変わらず健在で、大抵私はその態度に口を尖らせるのだった。
『顔見えてなかっただけよかったですよ。見えてたら即学校中に噂が広がってますよ確実に』
『えー、案外黙っててくれんじゃない？』
『この年代の若者を舐めたらいけませんよ、面白い話題があったらすーぐ拡散してみんなで共有して、面白おかしくネタにするんです!』
『まるで実際に経験があるかのような言い草ね』
『私がそういう生徒だったからですよ』
「なるほどね〜」と珈琲を煽る彼女もきっとその手の学生だったに違いない。
というかそれに当てはまらない学生のほうが少ないだろう。若かりし頃のガールズトークの約6割が噂話だった気がする。でも、それがとにかく楽しかったのだ。あの頃は。
『あ〜〜〜〜。地元のショッピングモールに行ったのが運の尽きか』
『ま、そうなるよねぇ。この近くにある大きめの商業施設なんてあそこしかないんだし』
『はあ。せめて変装くらいしとけばよかった』
『うける』
「そろそろホームルーム始まる」と席を立ったミッドナイト先生は軽く手を振って職員室を出て行った。それをじっと見つめていると黒ずくめの男も一緒のタイミングで出ていくのが見えて、その背中に念を送る。
なんとか今日一日、誤魔化して、頑張ってほしい。
…そして私も頑張らなければならない。
カップの底に残った珈琲の苦い部分を飲み干すと頭がしゃんとする。
白衣に身を包み、彼らより数分遅れて私も保健室に向かった。
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トマトまと(プロフ) - 続き→ちゃんと、プロポーズは彼からでしたね。主ちゃんの願いが叶って良かったです。最後に、ayaさんの文章の書き方、読みやすく、面白く、最高でした！素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました！！ (2022年11月20日 10時) (
レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます！プロローグとエピローグの違いにほんわかしました。主ちゃんの行動、相澤先生の考え、ミッドナイト先生の話、上鳴くんの恋心、沢山の人物によってこの物語が完成していて、読んでいてとても楽しかったです！ (2022年11月20日 10時) (レス) @page47 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - ぱりぱり。さん» 感情の変化や、言葉選びには殊更気を使って書いていたのでそこを汲み取っていただけて本当に嬉しいです泣書いてよかったと思いました、、、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 27さん» 大好物！！良かったです！！笑こちらこそ最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！また何処かで見かけたらよろしくお願いします！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 柊さん» 最後まで丁寧に読んでくださって、本当にありがとうございます泣ほっこり、していただけて良かったです、安心しました！！本当に最後までお付き合いいただきありがとうございました！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2021年1月10日 23時
