18ラバー ページ19
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『ねー、あのさぁ。かおちゃん先生』
『なぁに？保健室利用回数ダントツナンバーワンの上鳴電気くん』
『…嫌味？』
「そう聞こえるのならそうなんじゃない？」なんて口元を緩めてみせると、私の目の前にいる彼はむっとする。
時計の針は12時45分を指していて、詰まるところ今はお昼休みの時間なのである。そのため、私のデスクの上にはサンドイッチと珈琲が置かれているし、なんならたった今食べようとしていたから、マグカップからは白い湯気がたっていた。
…まぁ、来客があったせいでそれも中断せざるを得なかったのだけれど。
『聞きたいことがあんだけど』
私の言葉を嫌味と捉えたくせして、案外図太い神経している。勿論、上鳴くんが何らかの怪我を負っていたり、病気で保健室を使わざるをえない状況にいたのなら、私は机の上の昼食なんて目もくれず、彼の治療に勤しんだことだろう。
だが、それは仮定の話であり、結果的に目の前の彼は怪我も病気もしていない健康体で、保健室なんて利用する必要なんて微塵もなかった。
それに対しての先ほどの尖った言葉である。
『…なあに、早くしないとお昼終わっちゃうけど？』
『俺は早弁したからヨユー』
『私はお腹空いて死にそうなのよ』
『食べながらでいいって』
「だから話聞いてよ」なんて
生徒を前に昼食を食べるなんて、そんなことできっこない。
一つため息をつくと私は改めて彼に向き合って話の先を促した。
『…かおちゃん先生さ、』
やけに真剣そうなその眼差しに少しだけ背筋が伸びる。
彼が意を決したように唇を開き、私も同時にゴクリと息をのみこんだ。
『…昨日、相澤先生と一緒に出掛けてたりした？』
…
その問いかけに私は、
『へ、』
なんて惚けた声を発することしかできなかった。
***
『ってことがあったのよ！！！！！！』
バサッ、消太くんの持っていた雑誌が手から落ちて、不自然な折り目を付けていく。
滅多に狼狽えたりしない彼の目は大きく開かれていて、「…お、おまえ、」とぼそりと呟いた。彼の言わんとすることが分かった私はソファに身を任せつつ、ため息をつく。
『…バレてない、と思う。完全には、。ちゃんと誤魔化したから』
『誤魔化したってお前、』
『…消太くんの顔しか見えてなかったみたいなのよ。ただ、後ろ姿が私に似てたって』
両手で、顔を覆う。
まさか、昨日の外出でこんなことになるなんて。
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トマトまと(プロフ) - 続き→ちゃんと、プロポーズは彼からでしたね。主ちゃんの願いが叶って良かったです。最後に、ayaさんの文章の書き方、読みやすく、面白く、最高でした！素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました！！ (2022年11月20日 10時) (
レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます！プロローグとエピローグの違いにほんわかしました。主ちゃんの行動、相澤先生の考え、ミッドナイト先生の話、上鳴くんの恋心、沢山の人物によってこの物語が完成していて、読んでいてとても楽しかったです！ (2022年11月20日 10時) (レス) @page47 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - ぱりぱり。さん» 感情の変化や、言葉選びには殊更気を使って書いていたのでそこを汲み取っていただけて本当に嬉しいです泣書いてよかったと思いました、、、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 27さん» 大好物！！良かったです！！笑こちらこそ最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！また何処かで見かけたらよろしくお願いします！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 柊さん» 最後まで丁寧に読んでくださって、本当にありがとうございます泣ほっこり、していただけて良かったです、安心しました！！本当に最後までお付き合いいただきありがとうございました！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2021年1月10日 23時
