12ラバー ページ13
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カルテを記入し終えると、立ち上がる。
『ちょっと調合するから待ってて』
『っす』
保健室の大きい棚の中には沢山の薬品が眠っている。
この学校はさすが国立というわけか、天下の雄英というわけか、普通の学校には置いていないような劇物も置いてある。……まあそれは流石に手の届かないような金庫にしまってるんだけどね。
何はともあれ、私の仕事はこの薬品がないと成り立たない。
私は症状を見たら大抵の薬品は調合して作ることが出来る。
所謂｢治癒｣系の個性を産まれ持ったわけなのだ。
まあ、私が作った薬を飲んだらすぐに治るって訳では断じて無いから万能とは言い難いんだけど、それでも体の回復力は上がるし飲まないよりはよっぽどマシだったりする。
つまりリカバリーガールと似たり寄ったりの個性ってわけである。
『…あの、せんせ』
『ん〜？……あれ、水酸化ナトリウムどこいった、』
『聞きたいことがあるんですけど、』
ガチャガチャと瓶の音が鳴り響く中、やけに真剣な声色の上鳴くんに振り返る。
…あ、水酸化ナトリウムあった。
聞いた事のないようなそんな細い声に少しだけからかうように笑う。
『なに？…年齢以外なら答えるけど』
『年齢はもう知ってるんでいいんですけど、』
『え、なんで知ってんの』
『あの、俺……』
え、ちょ。今さりげなく爆弾発言したよね？なんで私の年齢知ってんの？
そして、なんでさらっと無視してるのこの子。聞こえてなかったのかな？
『……あの、香里先生って、』
『いや、上鳴くん。待って、先生ちょっと理由を聞きたいなー…なんて』
『…香里先生って、』
『ｱｯ！無視！』
割と親交を深めてきたと思っていた生徒からの無視は中々答える。
うぐ、と胸がえぐれる音がした。
痛む心臓を抑えたながら彼をちろりと見ると、覚悟を決めたようにきゅ、と唇を結んで。
『あの！先生って彼、』
『……何やってる』
突然響いた扉の開く音。
低い声、見覚えのある黒い男。
『上鳴、お前怪我は』
『…相澤先生』
『……相澤くん、いきなり開けないでよびっくりするわ』
相澤くん、もとい消太くんは｢…ノックはしました｣と呟くと一直線に上鳴くんの元にむかう。
…そう言えば消太くんは上鳴くんの担任だったな、なんて今更ながら思い出した。
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トマトまと(プロフ) - 続き→ちゃんと、プロポーズは彼からでしたね。主ちゃんの願いが叶って良かったです。最後に、ayaさんの文章の書き方、読みやすく、面白く、最高でした！素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました！！ (2022年11月20日 10時) (
レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます！プロローグとエピローグの違いにほんわかしました。主ちゃんの行動、相澤先生の考え、ミッドナイト先生の話、上鳴くんの恋心、沢山の人物によってこの物語が完成していて、読んでいてとても楽しかったです！ (2022年11月20日 10時) (レス) @page47 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - ぱりぱり。さん» 感情の変化や、言葉選びには殊更気を使って書いていたのでそこを汲み取っていただけて本当に嬉しいです泣書いてよかったと思いました、、、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 27さん» 大好物！！良かったです！！笑こちらこそ最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました！！また何処かで見かけたらよろしくお願いします！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 柊さん» 最後まで丁寧に読んでくださって、本当にありがとうございます泣ほっこり、していただけて良かったです、安心しました！！本当に最後までお付き合いいただきありがとうございました！！ (2021年6月13日 22時) (レス) id: 13840754e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2021年1月10日 23時
