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「任せちゃって悪いね」

「いいのよ〜、それが私の仕事だから」


――虎杖悠仁のメンタルケアをして欲しい。


三日前、五条は彼女にそう頼み込むつもりだった。宿儺の指を取り込んで、訳の分からぬままこの呪いの世界に足を突っ込んだ若者の、精神状態を気にしてのことだった。表では明るく振舞っていても腹の底では分からない。きっとその心の痼を彼女なら上手く揉みほぐしてくれると、そう信じて。



だが、五条がそれを持掛ける前に、彼女から「虎杖悠仁と話をさせてほしい」と名乗り出てくれた。
流石だなと、改めて五条は思った。きっと自分と同じことを考えてくれていたのだと。


二つ返事でOKを出し、虎杖悠仁にカウンセリング室に行くように促した。その先の結果を、今日聞きに来たのだ。



「悟くんの言う通り、元気ないい子だったわ〜」

「でっしょー!僕の努力の賜物だね!」

「そうねえ。流石だわあ。悟くんの生徒さんは皆いい子。」



彼女の言葉には何の嫌味もない。本気で五条のことを褒めちぎっているし、言うなれば全肯定botである。これが家入や夏油なら本気で無視されているか、一言辛辣な言葉を浴びせて終わりだ。


でも、と続けられた言葉に耳を傾ける。


「いい子すぎるから、きっといっぱい我慢しちゃってるわね。言いたいことも言えなかったり、自分が自分がって全部やろうとしちゃうとこがあるんじゃないかしら」



成程。と五条は素直に頷いた。確かに、虎杖悠仁の自己犠牲本能は凄まじいものだ。自分の命よりも何より、仲間のことを優先する。それが悪い事だとは言わないが、自分の命を蔑ろにする癖がついてしまっているかもしれないなと彼女の話を聞いて思う。




「確かに、悠仁はそういうとこあるね。多分自分が宿儺の器であることに対しても負い目を感じてる。死刑になるのが確定してるから、いつ死んでもいいと思ってる」




死刑、という言葉を聞いて彼女は整った眉を悲しげに下げる。



「虎杖くんがね、何かを言いたそうだったらちゃんと耳を傾けて聞いて欲しいの。きっとたくさんたくさん悩んで、色んなことを考えて、勇気をだして、悟くんに話そうとしてくれてると思うから」

「うん。それは勿論!担任だしね!」

「悟くんが忙しい時は私もフォローするね」



特級でありながら教師も熟す五条のスケジュールには余白がない。それを彼女もよく分かっていた。
その有難い言葉を跳ね除けることなく、よろしくねと五条は彼女に笑いかけた。

家入硝子の休息→←五条悟が所望する



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chiaki0708(プロフ) - 恵くんの恋を応援し隊 そして高専時代の五条さんの口の悪さ最高笑笑いってる姿が想像付きます笑笑 (2022年1月18日 18時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
mari(プロフ) - 尊い、カウンセラー室の壁になりたいです。 (2021年12月28日 2時) (レス) @page49 id: e3d45e5295 (このIDを非表示/違反報告)
陽夏 - ほっこりしていて、素敵なお話ですネ!!読んでてほっこりしました! (2021年11月21日 17時) (レス) @page47 id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます!!続編でもよろしくお願いいたします! (2021年7月19日 21時) (レス) id: b35ce74133 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編だとっ!これからも応援してます!頑張ってください(´∀`) (2021年7月17日 10時) (レス) id: 92699b37e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aya | 作成日時:2021年7月3日 21時

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