検索窓
今日:2 hit、昨日:35 hit、合計:476,034 hit

ページ45

「え、先生と伏黒って昔からの知り合い?」


そんな二人の会話を聞いて、キョトンとした顔をしたのはアイスを平らげた虎杖だった。清宮の顔と、伏黒の顔を交互に見つめる。



「…五条先生が昔紹介してくれた」

「そうそう。恵くんが小学生の時、かしら。私が大学に通ってた時期だから」



何だか昔のことを探られるようで居心地が悪かった伏黒は小さく呟いた。そんな彼の隣で、清宮は嬉しそうに物思いにふける。



「へえ。……ね、先生。伏黒ってどんな子供だった?やっぱり今みたいにいけ好かない、細かいこともネチネチ言ってくるような感じ?」



釘崎はそんな伏黒の弱みを握ろうと、清宮に問う。
「おい、」と伏黒が釘崎を制するが、清宮のくすくすと笑う声に体をピタリと止めた。



「そうねえ、」と思案するような彼女。伏黒の方をちらりと見る、視線がぶつかってそれがどうにもいたたまれずに直ぐに逸らしてしまった。



「…とってもお姉ちゃん想いのいい子だったわ。今とおんなじ、優しくてしっかりしてる子。」



思わぬ褒め言葉に、ぬぐと息を飲む。彼女の優しい声と、優しい顔に心做しか顔に熱が集まったのを感じて、それを同期2人に悟られぬように、顔を背けた。


虎杖はニヤニヤしながら、伏黒の方を見る。



「ないない、先生それ絶対騙されてるわよ!此奴優しくなんてないもん、この前もたっかい鉄板焼き奢らされたし!!」

「ああ、あれな!!鉄板焼き美味かったけどなあ〜金がなあ〜」

「お前らなあ……」



釘崎が苦言を呈し、虎杖もそれに乗っかった。鉄板焼きの件は二人が圧倒的に悪いのだが、それを弁解するのも面倒だったので、ため息と共に口を閉ざす。



面白そうに3人の会話を聞いていた清宮は嬉しそうに伏黒の方を見た。




「3人とも、仲がいいのね。とってもいいコンビ。恵くんにいい仲間が出来て先生嬉しい」




別に仲良くない、と口から飛び出そうになったが、彼女の顔があまりにも幸せそうで、嬉しそうで。否定するのも何か、と伏黒は何も言えずに黙り込む。

そんな伏黒の横では「いい仲間だってよ〜」「恵くーん、良かったわね〜」と虎杖と釘崎が肘で彼をつついた。



うざい、と思うが、それを清宮の前で口に出すのは憚られたため、じっと黙って耐え抜いた。こういう悪ノリさえやめてくれれば、と思うがこれがなくなったらなくなったで気持ち悪いか、と。伏黒は用意してもらったマグカップに口をつけたのだった。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (539 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1261人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , さしす組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

chiaki0708(プロフ) - 恵くんの恋を応援し隊 そして高専時代の五条さんの口の悪さ最高笑笑いってる姿が想像付きます笑笑 (2022年1月18日 18時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
mari(プロフ) - 尊い、カウンセラー室の壁になりたいです。 (2021年12月28日 2時) (レス) @page49 id: e3d45e5295 (このIDを非表示/違反報告)
陽夏 - ほっこりしていて、素敵なお話ですネ!!読んでてほっこりしました! (2021年11月21日 17時) (レス) @page47 id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます!!続編でもよろしくお願いいたします! (2021年7月19日 21時) (レス) id: b35ce74133 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編だとっ!これからも応援してます!頑張ってください(´∀`) (2021年7月17日 10時) (レス) id: 92699b37e3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:aya | 作成日時:2021年7月3日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。