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はぁ、と自分の心を落ち着かせるように息を吐いた。
顔をあげ、彼を見てゆっくりと歩き出す。
...ここにいたくない。
もう帰りたい。
その一心だった。
彼の横を通り過ぎて、小さく「サヨナラ」と呟いて。
それで終わりだった。
『...はなしてよ』
...終わりだったはずなのに。
掴まれた手首をじっと見つめる。
伝わってくる熱が熱くて熱くて仕方がない。
『何怒ってんの』
またそうやって、余裕そうな態度をとるんでしょ
その軽い言葉と態度が嫌なんだよ。
こんな奴に心をかき乱されるのが悔しくて悔しくて、喉がじんと熱くなる。
『...ほんっと、何も変わってないわ』
ぐいっと、手首ごと引き寄せられ無理矢理向かい合わせにさせられて、
彼の大きな手が伸びてきたと思ったら、ぎゅっと強く抱きしめられる。
頭が真っ白になって、はっとして。
『ッ離せクソ馬鹿、』
じたばたと、彼の腕の中で暴れても、鍛え上げられた彼の体はびくともしなかった。
懐かしい匂いと、温かい人の体に包まれて、私は息を飲む。
やだ、離してよ。ねぇお願いだから。
必死に瞳に貯めて、我慢していたはずの涙は呆気なくぽろぽろと零れ落ちて、彼の服を濡らした。
悔しい、悔しい、悔しい。
このまま彼と一緒にいたら、自分の中の何かが変わってしまいそうで怖い。
一刻も早くここからいなくなりたい、家に帰りたい、何も考えないで眠りたい。
ぽんぽん、と優しいリズムで彼は私の背中を叩く。
『...酒好きなのに直ぐ酔うとこ、酔ったら直ぐ寝ちゃうとこ、』
『苛々したら直ぐ癇癪起こすとこ、……最後にはこうやって泣くところ』
不意に体が離されて彼の顔が視界に移る。
私が流す涙を当たり前だとでも言うように、その綺麗な指で振って、彼は笑う。
『何も変わってねーわ』
だから、その余裕そうな顔が嫌なんだ。
息が苦しくなって、「う゛ーーー」という唸り声とともに力を籠めるのをやめた。
ふはっと吹き出す彼はわたしの事をもう一度抱きしめる。
『...お前やっぱ、俺の事まだ好きだろ』
そんな言葉が上から降ってきて。
はっと目を見開いて、口を噤む。
倒れ込むようにして、彼の胸に顔を押し付けた。
...ああもうバレバレじゃないか。
二年前、彼と別れてから、性懲りもなくずっと好きで、好きで、好きで
忘れられなくて。
...忘れようと躍起になって、アンタを見返すために、早く大人になりたかった。
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ぽん - 好きすぎる。本当に好きです書いてくださってありがとうございます解釈一致すぎてもう一生瀬呂夢これしか読めない（；＿；）♡ (2023年1月21日 23時) (
レス) @page47 id: bfc2e6fd8d (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ - ぁぁぁぁぁぁぁぁ……見るの凄い遅れてますね……泣きました…なんか…良かったです……くっ付けて……瀬呂推しなんで心がヤバいですw (2022年2月13日 22時) (レス) @page47 id: bcf7c7e9de (このIDを非表示/違反報告)
りるまろ - 瀬呂に落ちた (2021年8月8日 11時) (レス) id: ee38c723d2 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - 3回くらい泣きました…幸せをありがとうございます。瀬呂くん大好きです(TT) (2020年7月20日 13時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
NAGI(プロフ) - ayaさん» やった(´∀｀*)ありがとうございます！ぜひ！ (2020年5月13日 8時) (レス) id: 8404e24904 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2020年4月30日 18時
