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ぽろぽろ零れる涙を彼の服に押し付けた
『狡いんだよ、そうやってさあ』
『私は絶対嫌いになれないんだよ…範太のこと』
嫌いになろうと思っても、嫌いになろうと時間をかけても、こんな一言で直ぐに引き戻される。
『...もう、お願いだから離れないで』
出てきた言葉は思った以上に小さくてか細くて。
ふわっと風が私達を揺らす。
『うん、約束する。』
『...信用できない』
『...信用してもらえるように、ガンバリマス』
顔をあげると、さっきまでの怖い顔じゃなくて。
何だか泣きそうな顔をした範太が見えた。
『何で、泣きそうなの』
『...うるさい』
ずずっと鼻をすすったかと思ったら、此方を見た。
『...嬉しくて、泣きそうなの』
彼と視線が交わって、ゆっくり目を瞑る。
彼の近づいてくる気配を感じて、その流れに身を任せた。
ふわっとした暖かな感触が唇に重なって、直ぐに離れていく。
離れたかと思ったら、何度も何度も、角度を変えられて。
『...好き、A』
……狡いんだよ馬鹿範太。
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『あ、瀬呂、こっち』
『悪い、遅れた』
見慣れた長身、瀬呂と会うのはあのAちゃん連れ去り事件から一週間ぶりだった。
仕事終わりなのか、だいぶん疲れたような顔をしている。
そんな瀬呂を隣のカウンター席に促した。
『何飲む?』
『あー、...ビールで』
鞄を傍に置き、ふうと一息つく男を何となく見つめた。
目が合って、「何見てんだよ、」と小突かれる。
数分経って、目の前に瀬呂のビールが置かれて、
『...んじゃ、お疲れ』
『ん、乾杯』
こつん、と手に持ったグラスを静かにぶつけた。
中の小麦が揺れて。
...
『んで、?』
グラスをカウンターに置いた。
瀬呂はゆっくりと俺の方を見る。
視線が少し下がって。
『話って何よ』
今日二人で集まった理由は、瀬呂が俺と話をしたいと言って来たから。
何を話すのか。
...検討はだいぶついてるけど。
『...Aのこと、ちゃんと話しとかないといけないって思って。』
そう言った瀬呂の表情が、どうにも苦しそうで、辛そうで。
でもその中に何処か、嬉しさが垣間見えて。うまく言えないけど
『お前...もしかして、Aのこと』
『俺さ、最近彼女出来たの』
言葉を遮って、明るい口調で告げると、瀬呂の目がゆっくりと見開かれた。
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ぽん - 好きすぎる。本当に好きです書いてくださってありがとうございます解釈一致すぎてもう一生瀬呂夢これしか読めない（；＿；）♡ (2023年1月21日 23時) (
レス) @page47 id: bfc2e6fd8d (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ - ぁぁぁぁぁぁぁぁ……見るの凄い遅れてますね……泣きました…なんか…良かったです……くっ付けて……瀬呂推しなんで心がヤバいですw (2022年2月13日 22時) (レス) @page47 id: bcf7c7e9de (このIDを非表示/違反報告)
りるまろ - 瀬呂に落ちた (2021年8月8日 11時) (レス) id: ee38c723d2 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - 3回くらい泣きました…幸せをありがとうございます。瀬呂くん大好きです(TT) (2020年7月20日 13時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
NAGI(プロフ) - ayaさん» やった(´∀｀*)ありがとうございます！ぜひ！ (2020年5月13日 8時) (レス) id: 8404e24904 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2020年4月30日 18時
