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あ、また。
廊下ですれ違う時。視線を感じて目を向ければあの子がいる。俺の目線に気が付いたのか、はっと逸らされて。
『どーした上鳴。何かあんのか？』
『...え、ああ。いや、別に』
どうしてかは分からなかったけど、あの子のことは誰にも言いたくなくて、口を噤んだ。
視線を戻すと、あの子がC組にそそくさと入ってくのが見えて。
...普通科の子か
ふうん。いや別に、何もないけどね。うん。
誰に言い訳するわけでもないのに、頭の中につらつら御託を並べた。
ストーカーのようにあの子の事を考えている自分が気持ち悪くて頭をぶんぶんと横に振る。
『さっきから上鳴おかしくね？』
『このアホ面が可笑しいのはいつものことだろ』
『いや、明らかに何か大事なもん落っことした感じするだろ』
『お前らそれ聞こえてっかんな！』
友達の言葉とは思えない罵詈雑言に突っ込みつつ、俺は可笑しくなんかないと言い聞かせた。
毎日、毎日。
あの子が視界に入ってくる。
『(食堂いっつも居るな)』
『(...あ、またこっち見てる)』
『(ふうん…今日は髪くくってんのね)』
あの子が笑うたび、柔らそうな髪がふわっと揺れる。
それを見るのが、好きだった。
『(...俺が、笑わせてみてーなー)』
その笑顔が俺に向けられたら、あの髪に触れられたら、どんなにいいだろうか。
いつしか、そんなことを考えるようになった。
だから
『...あ、えーと。紹介、一応。』
冬休みに入る直前の下校時間が少し過ぎた時。
目の前にいるのは、瀬呂とあの子で
『...なんつーか、この前から付き合ってる』
照れくさそうに頭を掻いて、あの子を見つめた瀬呂。
それをあの子も嬉しそうに笑って。
頭が一瞬にして真っ白になって。ぐちゃぐちゃになった。
...ああそうだったのか。
『...へぇ！瀬呂お前いつの間に』
わざと明るく出した声は震えてなかっただろうか。
...多分、俺の事なんか目に入ってない。だって二人とも幸せそうな顔で笑ってる。
あの子と度々目が合ったのは、あの子が俺たちの方をよく見ていたせいもあるけど。
『瀬呂、おめでとう』
俺が無意識に、あの子を探していたから。
それに気が付いた今、もうそれを伝えることはできないなんて、笑ってしまう。
『うん、...ありがとな』
...ほら、またあの子が笑う。
柔らそうな髪の毛が揺れて、その笑顔は俺じゃない誰かに向けられる。
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ぽん - 好きすぎる。本当に好きです書いてくださってありがとうございます解釈一致すぎてもう一生瀬呂夢これしか読めない（；＿；）♡ (2023年1月21日 23時) (
レス) @page47 id: bfc2e6fd8d (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ - ぁぁぁぁぁぁぁぁ……見るの凄い遅れてますね……泣きました…なんか…良かったです……くっ付けて……瀬呂推しなんで心がヤバいですw (2022年2月13日 22時) (レス) @page47 id: bcf7c7e9de (このIDを非表示/違反報告)
りるまろ - 瀬呂に落ちた (2021年8月8日 11時) (レス) id: ee38c723d2 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - 3回くらい泣きました…幸せをありがとうございます。瀬呂くん大好きです(TT) (2020年7月20日 13時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
NAGI(プロフ) - ayaさん» やった(´∀｀*)ありがとうございます！ぜひ！ (2020年5月13日 8時) (レス) id: 8404e24904 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2020年4月30日 18時
