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『ッ何で、分かってくんないの!!』
ガチャンと無機質な音を立てて、落ちたのはお気に入りのお揃いのマグカップ。
これからも一緒に使っていくはずだと思っていたものは呆気なく砕け散った。
目線の先に映るのはそんな私を訝し気に見つめる範太の顔。
それがどうしても見てられなくて、目を逸らして唇を噛む。
『...だから、何回も言うけど。俺の仕事とお前のことは比べらんないって』
『何で比べられないの。私の事大事じゃないの?』
重い女になりたくなかったはずなのに、典型的な質問を範太にぶつけては困らせる。
...ヒーローをしてる、彼が大好きだったはずなのに、
いつからこんなことになっちゃったんだろう。
はぁ、という彼の溜息がどうにも鮮明に聞こえて、はっと目を見開く。
『...多分俺たち距離置いた方が良い』
静かな、静かすぎたその声は、私たちの関係の終了を呆気なく告げた。
大学4年生の、春だった。
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目を開いた。
カーテンから薄っすら入ってくる太陽光に目を擦り、朧げな意識のまま上半身を起こす。
...何だか、とても懐かしい夢を見ていたような気がする。
きーんと痛む頭を抑えて、身を捩る。昨日は飲みすぎた。
ふぁ、と欠伸を一つ零して辺りを見渡すと、そこには範太の姿も、彼の着ていた服も、バッグも、何一つなくなっていて。
それをぼんやりとする頭で理解して、ああそういうことかと。
もたつく足取りで散らばった自分の服をかき集めては身を包み、もう一度布団にダイブした。
『...ま、こんなもんだよね』
大人だからね、もう。
ワンナイトラブ、そんなの別に傷つかないし
期待してたわけでもないし
行為中に彼が何も言ってくれなかったのが、いい証拠。本当に狡い男だ。
今日が休みでよかった
『...好きだったな』
ぽろぽろ零れる涙を振った。
鼻をすすって立ち上がり、テーブルに無造作に置かれた携帯を手に取る。
二年前から、消せなかったこの想い
携帯の連絡帳から【瀬呂範太】の文字を探して、タップして、そのまま、親指で、削除という文字を押した。
連絡がくるはずもないのに、残しておいて何の意味がある。
そう自分自身に問いかけたのは一度や二度じゃない。
でも、頭で分かっていてもどうしても消せなくて、未練たらたらで。
だから、よかった。
『...さようなら』
今日ようやく、前に進めそう。
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ぽん - 好きすぎる。本当に好きです書いてくださってありがとうございます解釈一致すぎてもう一生瀬呂夢これしか読めない（；＿；）♡ (2023年1月21日 23時) (
レス) @page47 id: bfc2e6fd8d (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ - ぁぁぁぁぁぁぁぁ……見るの凄い遅れてますね……泣きました…なんか…良かったです……くっ付けて……瀬呂推しなんで心がヤバいですw (2022年2月13日 22時) (レス) @page47 id: bcf7c7e9de (このIDを非表示/違反報告)
りるまろ - 瀬呂に落ちた (2021年8月8日 11時) (レス) id: ee38c723d2 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - 3回くらい泣きました…幸せをありがとうございます。瀬呂くん大好きです(TT) (2020年7月20日 13時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
NAGI(プロフ) - ayaさん» やった(´∀｀*)ありがとうございます！ぜひ！ (2020年5月13日 8時) (レス) id: 8404e24904 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2020年4月30日 18時
