風邪(2) ページ40
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『……おーい、入るぞ』
『……えい、じろ』
ゴホゴホという咳をしながらAが起き上がろうとする。
それを片手で制しながら俺は部屋に入り、袋の中から買ってきたものを取り出した。
ベッドの上には真っ赤な顔で寝ているAの姿。
どうやら、夏風邪というものをひいてしまったらしい。
『お前熱測った？』
横に首を振るAにやっぱりなと苦笑する。
自分の部屋から体温計を持ってきておいてよかった。
それを取り出すと彼女に向けて差し出した。
大人しく受け取り、それを脇に挟んだAを見て安心した俺は、ビニール袋から冷えピタを取り出して彼女のおでこに貼った。
『ｯつめた……』
『あ、わりい、大丈夫か？』
冷たいジェルに驚いたようで、Aがビクリと身体を動かす。
こくり、と頷く彼女を見て、またも安堵の息をついた。
と、その時、ピピッという機械音がなる。
Aから体温計を受け取って、表示された数字を確認すると【38.5°】。
中々の高熱だ。
『……なんか食えそう？』
食べられそうなものはとりあえず買ってきてみたが、どうだろうか。
やはり無理だったようで、彼女は首を左右に振った。
『そうか、食べられそうな時でいいからこれ、俺らから。』
苦しそうな彼女を見て、どうにかしてあげたいのは山々だが、俺は医者ではない。
あまり長居するのも良くないだろうと持ってきたゼリーやポカリを机の上に置き、『お大事な』と、そこから退散しようとする。
『……ま、って』
咳と共にか細いそんな声が聞こえて、Aが俺の服の裾を引っ張った。
『どうした？何か欲しいもん、あるか？』
Aは首をフルフルと横に振る。
潤んだ瞳はきっと熱に浮かされているからだろう。
一生懸命何かを言おうと口をパクパクさせるAを見つめていると
『……まだいてほしい』
その薄桃色の唇からそんな言葉が飛び出して、俺の胸はドキンと跳ね上がる。
その言葉とともに俺の服を更にギュッと掴む彼女。
不謹慎にも、体温が急上昇するのを感じて、俺はその場に座る。
『……分かった。そばに居るから』
嬉しそうに笑ったAは安心したように目を閉じる。
熱で心細くなっていることは分かっている。重々承知だが、
『……やっべーな』
片手で顔を覆うも、隠れるはずもない。
寝息をすーすー、とたてる彼女の顔を見つめて、俺は深いため息をついた。
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aya(プロフ) - (・ー・)さん» あああもう嬉しいです(;_;)こんな妄想小説が1番でいいんですか！？！？！？めっちゃ嬉しいです、本当に見つけてくださってありがとうございます(;_;)(;_;) (2020年4月7日 21時) (
レス) id: 3b62513bd4 (このIDを非表示/違反報告)
(・ー・) - 更新ありがとうございます！ 今まで読んでいた夢小説の中でこの小説が一番好きなんですよ！しかもこの小説は私の推しばっかりで本当に見つけてよかったなとおもっています♪ これからも頑張ってください*^^* (2020年4月7日 20時) (レス) id: bfc3f52eee (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 羽さん» あああわかりみが深すぎます瀬呂くんに1回はまると抜け出せませんよね！？((((これからも瀬呂くんにキュンキュンして頂けたら幸いですヽ(^0^)ﾉ (2020年4月7日 17時) (レス) id: f1d7a05c02 (このIDを非表示/違反報告)
羽(プロフ) - 毎回楽しませて頂いてます！とっても面白くてキュンキュンします！！瀬呂くんがかっこよすぎてもう辛いです笑笑 (2020年4月7日 17時) (レス) id: da11f27698 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - リョンリョンさん» ええええ！？！？数あるヒロアカの神作品の中で1番ですか！？！？！？嬉しすぎて吐血しそうです((ありがとうございます泣 (2020年4月7日 17時) (レス) id: f1d7a05c02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2020年3月30日 15時
