オレを好きになってよ。3【手嶋純太】

You gotta love it 09. ページ9

「‥え、オレ、に?」


「うん」


「‥‥え、ホントにオレ?」


「そうだよ」



「なんで? なんでオレ会いたかったわけ」





難しい顔であたしを見る純ちゃん。





「あー..いやー..その、」





面と向かってそう聞かれるとなんだか
恥ずかしくって言葉に詰まる。




「なんかあった？」




「えっと‥‥」






"【Aちゃんが入学してきた日に別れたんだって】"








寒咲先輩の言った言葉が頭をよぎる。









ずっとその答えが聞きたくて会いたかった。







今、まさに今、聞けるチャンスじゃないか。




恥ずかしがってる場合じゃない。










「‥ゆっくりでいいから。 聞いてるから、待ってるから

Aのタイミングで話しな？」










そうだ。



純ちゃんはいつもあたしを
待っててくれたじゃん。







待っててくれたから、あたしも待ってた。


だけど、今度は待たせちゃいけない。




もし、あたしの考えが間違いで、
あたしを選んでくれたから李央先輩と
別れたってのが違ったとしても、



それでいい。


今は、それでいい。





あたしは、答え合わせがしたいだけ。



問題の答えがわからないと次には進めないでしょ？





ちゃんと解かなきゃ、自分で。















すぅ、と息を吸って、




「純ちゃん!!!!!」




「は、はいっ！」






「入学式の日に李央先輩と別れたってホント!?」










大きな声で言った。









夜中だってのにほんとご近所迷惑もいいとこ。









肝心の純ちゃんはというと...






「‥‥」





真顔のまま黙り込んでいる。










あ、れ。


やっぱ間違ってたかな




‥てか、何か言ってくんないと恥ずかしいのと、
どうしていいのかわからなくて戸惑う。









「‥ぁー〜‥あ、あ〜〜、あたしお、おおお風呂

入ってくるかな〜〜‥!!」






居た堪れなくなって、お風呂場に逃げようとした。







本当はこんな状態の体でお風呂入んのも
しんどいんだけどさ。













よっこらせっと、



ゆっくりベッドから降りて、


拙い足取りでお風呂場へと向かう。












「‥そ、そうだよ。

あの日、お前とぶつかって再会して。




そんで李央に別れてくれって言った。」

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