オレを好きになってよ。3【手嶋純太】

You gotta love it 30. ページ31

「あーあ、退学になんのはあんただね」




「お願い！！それ、誰にも見せないで！！」




かなり慌てた様子。






「‥人に頼む前にやる事あんだろ」




「な、何したらいい？！」





「そいつに謝れ」






顎でクイッとあたしを指した。







「あ‥。 ご、ごめんなさいっ」


「あ、いや、別にそこまでしなくても」




急に土下座で謝りだした。






「ただ。 純ちゃんは渡しません。

あたしはまた昔みたいに一緒に居たいんです。

先輩から取ったかもしれません‥それは悪いと

思ってます。 ごめんなさい」





今度は逆にあたしが頭を下げた。






「‥‥っ そんなに大切‥？」




「‥はい」





「そっか‥」




少し寂しそうな、悔しそうな。


肩を落としてそう呟いた。














「‥Aッ！！」




「あ、純ちゃんどうしたの？」




「どうしたもこうしたもねぇーよ。

李央から呼び出されたってユリから聞いたんだよ」







血相変えて純ちゃんが走ってきた。
















「オイ！ お前首の痕なんだそれ」



「あー‥これね、まあちょっと」





隠すように、下を向く。





「隠すな‥っ」




純ちゃんに上を向かされて、首が露わに。





「どうしたんだよコレ？！」


「なんでもないって！」


「んなワケにいかねーだろ！？」


「本当に、なんでもないよ‥」



「‥まさか。 オイ、李央。お前がやったのか？」



「ちょっと！ 李央先輩関係ないんだって！」



「じゃあなんの痕だソレ」


「それは‥ね‥」






なかなかいい理由がなくて口をつぐむ。





「‥ごめん‥なさい‥あたしがやったの‥

首に 手を‥‥‥‥」


「はっ！？ 何やってんだよ！！！！」




「ちょーっとちょっとちょっと！純ちゃん！

ストップストップ！！！」





李央先輩の胸ぐらに掴みかかって、
今度は純ちゃんが殴りそうな勢い。





「お前なぁっ！ 首 に手 掛けられたんだろ？！

黙ってられるわけねーだろ！！」




「いいから！！！ あたしも頭突きしたんだって

お互い様だから！ね！離したげてよ」







「‥‥悪り」




そう言い、掴んでた手を離した。





「‥ふぅ。 李央先輩。 保健室行ってください」





あたしが先輩に向かって言うと、
目に涙をいっぱい溜めて走ってってしまった。







「‥はぁ」



純ちゃんも深い溜息をついた。

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