オレを好きになってよ。【手嶋純太】

Who is chosen?1. ページ1

やっと‥







やっと、この日が来た。















「うぅ〜〜〜〜っ、入学式〜〜っ!!!

この日の為に勉強頑張った自分偉いぞ!!!」










部屋に1人、両手を上に掲げ自分を讃えてた、ら。









RRRRR...♪







ケータイが震えた。





「もしもし、パパ？」




「お、A!今日だなああ!!入学式!!

アレだろ? もちろん高校でも

柔道かボクシングか空手に____..」




「入るか!!!!!!!

絶ーーっっ対入んないっつーの!!!!」



「‥えー。パパ寂しい〜‥」



「あのねぇ、あたしはこの高校生活に賭けてんの!

男くさいものなんて2度とやるかっての!!!」




「全国レベルのお前だぞ、高校でもきっと、」



「やらないってば!!もう、しつこい!!」





ブツッ。




あまりにもうるさいからこっちから切ってやった。









パパ何言ってんのよほんと。







あたしやっと、

やっと夢みてたJKライフを楽しむってのに。



ぶち壊す気か。










せっかく実家を、地元の神奈川を離れて

1人で千葉の高校への入学を決めたってのに。



格闘技なんてやったらまたウワサになっちゃう。







______"豪脚、剛力のA"


って異名が、ね。






何せ、父親がボクシング経験者、ジム経営。

母親が地元一の元ヤンキー‥。

まあー、強い強い。




そんな両親を見て育ったもんだから、

自然に、ごく普通にあたしも同じ道に‥‥。




家に帰れば周りには

常に汗くさい男ばっかだったし、


あたしもあたしでグレてた時期があって

周りにはヤンキー、ヤンキー、ヤンキー‥。




こんなヤンキーでも、恋するのは普通の男の子で。



でももちろん、告白しても‥








『俺、ヤンキーはちょっと‥』



『彼女にするならやっぱ守ってあげたくなる
ような子でしょ』



『君、俺より強いっしょ。笑』



『お前さぁ、女に思えないんだわ』





って散々で一度も彼氏ができたことない。

ヤンキーにゃモテんだけどなぁ‥。








いつも女の子扱いされてこなかった。


だから高校では絶対失敗しないんだって決めた。

オトコオンナじゃなくて、オンナノコとして

見て欲しい。

そんな人に出会いたい。


短かった髪も伸ばしてみた。

いつも邪魔だって思ってた爪も伸ばして

ネイルなんかも初めてみた。


あたしはこの高校生活に賭けてる。

絶対彼氏作るんだ。

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