溺愛ロジック 番外編 2

お手伝い ページ8

色紙をテーブルに広げて、藤ヶ谷先生とちまちまと飾りを作った。

「上手いじゃん」

先生に飾りを褒められて舞い上がる私。

「こういう地道な作業は好きかもです」

「ピアノも弾けるし子どもも好きだし、Aは保育士ほんとに向いてるんじゃないか？」

「ほんとですかっ？」

最近、自分ダメだなぁと思うことが多かったから、こんな風に認めてもらえて嬉しい！

「A、初めてのアルバイト、どうだった？」

作業する手は止めないで話す先生を見て、慌てて自分も再び作業し始めた。

「…なんか失敗ばっかりしちゃって、情けなかったです」

「失敗したの？」

「はい…ゆりちゃんも初めてのはずなのに私と違ってすごくしっかりできてました」

「あー、あの子はああ見えて頭の回転が速いからな」

ゆりちゃんは女の子らしくて可愛いのに意外に足早いし賢いなって思うこと多い。

素敵なギャップだよね。

それに比べて私はぱっと見賢く見えるらしいけど実はダメダメ、最悪なギャップだよ(涙)

「…役に立てる人になりたいです」

「役に立ちたいの？」

「はい。必要とされて、頼りにされたいです」

「うーん…、頼りにされる人ってさ、それ相応の実力と人間性が必要かなと思うんだけど」

グサッ。

「AにはAの良いところがあるからさ、すべての分野で万能になろうとするんじゃなくて、Aの得意分野で頑張ってみたらいいんじゃないか？」

「私の得意分野…」

「こういう細かい作業とかは舞原だったら多分すぐ嫌になっちゃうと思うな(笑)それとAの良いところは、すごく素直なとこだと思う。そういう子は助言を聞いて努力が出来るから伸びると思うよ」

「先生…」

「スタートは遅いかもしれないけど、Aはちゃんとやれば出来る子なんだから、そのアルバイトも何日かしたらきっと出来るようになってたよ」

じーん(涙)

「ありがとうございます…」

「ほら、手止まってる」

「ああっ、すみません…」

「頑張ろうな」

「はいっ…！」

お昼過ぎてしまったけど二人でやったから案外早く終わりました！

「お腹空いたな、何か作るよ」

「手伝います！」

先生と二人でパスタを作って一緒に食べた。

「お腹いっぱいですね」

「おいしく作れたな」

「はいっ」

「…ごめん、ちょっと疲れたから少し休んでもいいかな」

「え、あ、はい…」

先生は寝室へ行ってしまった。

…暇だなぁ。

ソファでぼんやりしてたら、いつの間にか眠ってしまっていた。

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