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北山との別れ ページ36

舞原と別れて階段を登ると北山がリスニングルームに入っていくのがみえた。

俺に用があるんだろうか。

リスニングルームの入り口から覗くと、俺が準備室にいると思ったのか一人で喋りだす北山に笑みがこぼれた。

リスニングルームのドアを軽くノックすると北山が振り返った。

「藤ヶ谷?あれ、お前…」

「俺に何か用?」

そう聞くと北山はリスニングルームを出た。

「いや、お前さっき様子がおかしかったから…」

「ありがとう。大丈夫だよ。北山、今は部外者なんだから校内うろつくなよ」

「んはは、だな(笑)」

「…北山」

「ん?」

「今までありがとう」

手を差し出した。

北山は少し不思議そうな顔をしたけどすぐに手を差し出し、握手をした。

「また呑みにいこうぜっ」

北山は眩しい笑顔で俺を見た。

「さぁ…どうかな」

「何だよっ(笑)」

「はは(笑)」

「じゃあ、帰るわ。…またな」

「…さよなら、北山」

北山と別れて、一度職員用ロッカーのところへ戻り、最後のAへのプレゼントを手に屋上へ上がっていく。

重たい扉を開け、屋上に出た。

Aを失ったことで心は空っぽになってしまった。

梨華を失った時とは比べ物にならないくらいの喪失感。

Aを形造るすべてがいとおしかったよ。

こんな汚れた世界でも、君だけは美しかった。

信じられたのは君の優しさだけ。

ありがとう。

屋上から校庭をぼんやり見下ろしていると、Aから着信があった。

『先生…今、どこにいるんですか?』

「屋上だよ。A、おいで?」

『…はい』

電話を切った後、愛しいAの声に胸が締め付けられ、軽く酸欠状態になった。

「…はぁっ、」

ねえ、A。

俺と一緒に消えちゃわない?

だってずっと一緒にいるって約束してくれただろ?

二人一緒にいればきっと他に誰も居なくても寂しくないと思うんだ。

そうしたらこの胸の痛みからも解放される。

屋上の扉が開き、Aと玉森がやって来た。

二人を見つめる。

「A、卒業おめでとう」

愛してるよ、今でも。

俺と一緒にいこうよ?A。

無理矢理かっさらってしまおうか。

…なんてな。

惨めに足掻く本心に蓋をして、微笑んだ。

ハッピーエンド→←自分を傷つけてでも



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ayachoko(プロフ) - *カスミソウ*さん» カスミソウさん!(;∀;)こんな暗い話にもったいないくらいの嬉しいコメントありがとうございます(;_;)一気に読むの、大変でしたよね(^^;玉森先生Ver.も近々アップします!ほんとに嬉しいです(/_;)ありがとうございます(*≧∀≦*) (2017年9月1日 7時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
*カスミソウ*(プロフ) - 溺愛ロジックすべて読みました!とっても面白くて、一気に読んでしまい気づいたら4時間ぐらいたってましたwww新作のインモラルもドキドキですし、玉森先生Ver.も気になります!更新を楽しみにしております!応援しております!頑張ってください! (2017年8月31日 22時) (レス) id: 0fb920ca18 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ましろさん» ましろさんっ( ;∀;)嬉しすぎるお言葉ありがとうございます(。>д<)私もヤンデレ藤ヶ谷くんが大好きです(笑) (2017年8月15日 20時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 素敵な藤ヶ谷さんを描いて下さって本当に有難うございます!大好きです、このたいぴ(笑) 他の作品も次回作も楽しみにしています! (2017年8月15日 16時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ましろさん(*^^*)こんな駄作に優しいお言葉ありがとうございます(T^T)今後ドラマとかで狂った役とか藤ヶ谷くんにやって欲しいな〜(笑)好青年は興味なしです(о´∀`о) (2017年6月22日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年5月5日 8時

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