24 ページ24
「…いないよ、彼女」
『へ？』
「だから、いねーって！ そもそも彼女いたら女の子家まで送らねーし！」
見くびらないでほしーね！なんて鼻息を荒くする岸くんからは、さっきの雰囲気は消えていて
もとの顔をクシャクシャにして笑う岸くんに戻っていた
「じゃあ、俺も聞いていい？」
『…？いいよ』
「彼氏は…、たぶん、いないんだろうなっていうか、翔がいないって言ってたけど…」
『…うん、いない、よ』
「…じゃあ、今まで、いたことは？…ありますか……」
言葉尻になるにつれて小さくなっていく声がおもしろい
『いない、です。彼氏いない歴イコール年齢ってやつです』
「っすよね！！女子校っすもんね！！！」
またお互い敬語に戻ってるのを、ふたりで顔を見合わせて笑う
「あ、ここ曲がったら神宮寺の家だ」
『そうなんですか！ どこですか？』
敬語。と注意してから、岸くんはすぐそこに見える茶色の屋根のかわいらしい家を指さした
『っごめん、あ、あの家なんだ！確かにすごく近いや』
そこからまた真っ直ぐ行って、神宮寺さんの家と反対側の道を進む
『…ここです、私の家』
「なんか…めちゃくちゃ優しい家族が住んでそう！！」
『っいや……なにそれ…っ』
人の家みてこんな感想言う人初めて見た…
「笑うなって！そう思ったんだもん！ガチで！！」
改めて自分の家を見てみるけど本当に、ごく普通の、言ってしまえばちょっと奥に似たようなデザインの家もある、ありふれた家だ
それでも褒めてくれる岸くんは…なんというか…ものすごく優しいんだと思う
「じゃあ、俺はこれで…っ、」
＿「あーーーーーっ！！！！！」
閑静な住宅街に響き渡る元気な子供の声
「姉ちゃんが男連れ込んでる！！！」
弟だった
『ちょっとやめてよ近所の人に聞こえるでしょ…！！！』
「しかも優太じゃん！！！すみにおけねーな！！！」
もう…いらないことばっかり言うんだから…！！
マセすぎよ…
「うぉ、う、うるせーよ！」
「あがってけよゆーた！」
「いや、俺は…っ」
『そうだね…送ってもらって何もしないのも悪いし……もし、このあと用事とかないんだったら…なにか飲み物だけでも飲んでいく……？』
外は暑いし…このまま帰すのも心配だし…
「うー…じゃあ…、ちょっとだけ、な」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 277人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とわまる(プロフ) - かほさん» 返信が遅れてしまい申し訳ないです！すごくダラダラ書いてしまってる感がありますが、読みやすいと言っていただけるのはとても嬉しいです！これからも精進してまいります！！ (2020年2月10日 7時) (
レス) id: 6d9ac2eca6 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - テンポもよくて読みやすくて感謝です！！ (2020年1月26日 1時) (レス) id: 4f2e006cfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とわまる | 作成日時：2020年1月9日 0時
