男の子を教えて。-Yuta Kishi-

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「あと…友だちになるんなら、敬語もお互いナシな」


『え、あの…』




「俺も、わりと癖で敬語出ちゃうかもしれないけど……」


私だって癖でというか、男の人相手じゃ緊張してしまってしばらくは無理な気がする





「でも…俺がそう話したいし、話して欲しいっておもった…ん、だけど……、」



……確かに友達にまでなって敬語は無い



『、うん…わかった、き、岸くん』



さすがに名前呼びはハードルが高かったから、無難にさん付けだけやめてみた…





「うぉおぉ…っ！ 」


何故か感動している岸くん


やっぱり行動の一つ一つが面白くて、笑いが込み上げる




『っどしたの…？』



口角が上がるのを必死に抑えながら、尋ねると、


彼は目をキラキラさせてこう答えた




「俺いつもクラスの女子から岸呼びだから、新鮮で…！女の人に岸くんって呼んでもらえんの先生くらいだよ」



クラスの女子か…そっか、いつも男の人といるし自分が女子高だから忘れてたけど、岸くんの学校、普通に女の子もいるんだよね…


岸呼びできる仲のいいそのクラスの女子が羨ましいとか、思っちゃったりして




「名前で、とか思ったけど…神宮寺も同じ名前だし、俺が呼ばれ慣れてなくて恥ずかしいから、岸くんで！固定！！」



『っふふ、うん、わかった』




「岸さんとか言われたら寂しくなっちゃうからね…！言わないでよ！？」


めちゃくちゃかわいいなぁこの人…



目もおっきいし。



男の人って意識ばっかりしてたけど…、



実際は目もおっきくて鼻も高くて、唇もかわいい形をしてる…




『岸くんは、かわいいね』



「…えー？んー、かっこよくはない？？？」



『そんなことないよ！だって、』



だって？


何言おうとしてるの私…



「だって…？」



ずっと、あった時から男の人だと思ってたよ



手とか男らしいって思ってたし、




『…、ずっと、かっこいいなって、思って、た…』





「…えっ！？」


そこからはずっとマジ？とガチか〜！とやばい！を繰り返す岸くん



やっぱりかわいい人だなぁ…


「あ、また可愛いって思ってただろ！！」





だって、事実かわいいんだもの




「俺…男だからね」



でも、その言葉を、軽くとらえていた私がバカだったって気づくのに、そう時間はかからなかった

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